静岡県で耐震性の高い注文住宅を建てるには?ポイントを解説

静岡県で耐震性の高い注文住宅を建てるには?ポイントを解説

南海トラフ巨大地震への備えが欠かせない静岡県で注文住宅を建てる際は、耐震性をしっかり考えておきたいものです。しかし、地震に強い家は耐震等級だけで決まるものではありません。

地盤の状態や建物の形状、構造、工務店・ハウスメーカーの技術力など、さまざまな要素が関わっています。

本記事では、静岡県の地震リスクや地盤の特徴を踏まえながら、耐震性を高めるためのポイントやハウスメーカー選びのコツなどについてわかりやすく解説します。

なお、地震に強い家の特徴について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

【あわせて読みたい】

地震に強い家の特徴とは?形状・構造を実現させるポイントも徹底解説

【この記事でわかること】

● 静岡県で注文住宅を建てる前に確認!耐震の基礎知識

● 注文住宅の耐震対策は重要?静岡エリアの地勢と地震リスク

● 静岡県で注文住宅の耐震性を高める4つのポイント

● 静岡県で注文住宅の耐震性を高めるハウスメーカーの選び方

静岡県で注文住宅を建てる前に確認!耐震の基礎知識

耐震等級とは、建物が地震の揺れに対してどれだけ強いかを示す指標です。

はじめに、耐震の基礎知識として以下を解説します。

  • 耐震・制震・免震の違い
  • 耐震等級1・2・3の違い
  • 新旧耐震基準と2000年基準の違い

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耐震・制震・免震の違い

静岡県で注文住宅を建てる際は、「耐震」「制震」「免震」の違いを知っておきましょう。静岡県は南海トラフ巨大地震への備えが欠かせない地域です。

沿岸部にとどまらず、内陸部でも大きな揺れが想定されているため、間取りや設備だけでなく、住宅の地震対策も家づくりの重要なポイントになります。

耐震・制震・免震の違いをまとめた表は、以下のとおりです。

項目

耐震

制震

免震

仕組み

柱・梁・耐力壁など建物自体を強くして倒壊を防ぐ

ダンパーなどの制震装置が揺れのエネルギーを吸収する

建物と基礎の間に免震装置を設け、地盤の揺れを建物へ伝わりにくくする

建物の揺れ

階が上がるほど揺れの幅が大きい

上の階に行くほど揺れが抑えられる

地面の揺れよりも小さくなる

コスト

安い

やや高い

高い

静岡県では、住宅の耐震化を進める「TOUKAI-0(東海・倒壊ゼロ)プロジェクト」が実施されています。住宅会社を選ぶ際は、耐震・制震・免震のどれを採用しているかだけでなく、耐震等級や地盤調査の結果についても確認しておくと安心です。

建てる場所の地盤や予算に合わせて、自分たちに合った地震対策を選ぶことをおすすめします。

耐震等級1・2・3の違い

耐震等級とは、住宅の地震に対する強さを示す指標で、「1・2・3」の3段階に分かれています。耐震等級1・2・3の違いを比較した表は以下のとおりです。

等級

地震に対する強さ

具体的な性能

耐震等級3

耐震等級1の1.5倍

極めてまれ(数百年に一度)発生する地震による1.5倍の地震力に対しても、建物が倒壊・崩壊しない程度

耐震等級2

耐震等級1の1.25倍

極めてまれ(数百年に一度)発生する地震による1.25倍の地震力に対しても、建物が倒壊・崩壊しない程度

耐震等級1

建築基準法の最低基準

極めてまれ(数百年に一度)発生する地震に対して、建物が倒壊・崩壊しない程度(すべての新築住宅に求められる最低基準)

耐震等級1は建築基準法で定められた最低限の基準を満たす性能で、震度6強〜7程度の地震でも倒壊・崩壊しないことを目安としています。耐震等級2は等級1の1.25倍、耐震等級3は1.5倍の地震力に耐えられるよう設計されており、数字が大きいほど耐震性能も高くなります。

静岡県は南海トラフ巨大地震の発生が懸念されているため、注文住宅では耐震等級3を標準仕様とするハウスメーカーや工務店も少なくありません。

耐震等級が高い住宅は、大地震による建物の損傷を抑えやすいだけでなく、地震保険の割引や住宅ローンで優遇を受けられる場合もあります。

新旧耐震基準と2000年基準の違い

住宅の耐震基準は、大きな地震のたびに見直され、現在の基準へと強化されてきました。特に知っておきたいのが「旧耐震基準」「新耐震基準」「2000年基準」の違いです。

旧耐震基準は1981年5月31日以前、新耐震基準は1981年6月1日以降に適用された基準で、新耐震基準では震度6強〜7程度の大地震でも建物が倒壊・崩壊しないことを目標としています。

2000年には、木造住宅を対象に耐震基準がさらに厳しく改正され、地盤調査に応じた基礎設計や、柱・梁を接合する金物、耐力壁のバランスと配置などの基準が強化されました。

静岡県は南海トラフ巨大地震への備えが重要な地域だからこそ、注文住宅を建てる際は新耐震基準を満たしているかだけでなく、2000年基準にも対応した住宅かどうかを確認しておくと安心です。耐震等級とあわせてチェックすることで、より地震に強い住まいづくりにつながります。

注文住宅の耐震対策は重要?静岡エリアの地勢と地震リスク

静岡県は南海トラフ巨大地震の発生が懸念される地域です。ここでは、静岡エリアの地勢と地震リスクについて解説します。

  • 南海トラフ地震(東海地震)の想定被害
  • 静岡県内の地盤特性
  • 静岡県内における過去の地震被害・歴史

南海トラフ地震(東海地震)の想定被害

内閣府が公表した従来の東海・東南海・南海地震の被害想定では、南海トラフ地震が発生した場合、死者数は約2万5,000人、建物の全壊は約55万棟に及ぶとされています。

被害想定の内訳を見ると、揺れによる建物倒壊が約30万9,000棟と最も多く、液状化が約9万棟、火災が約8万1,000棟、津波が約4万2,000棟です。死者数も建物倒壊や津波による被害が大きな割合を占めており、地震対策だけでなく津波対策の重要性も示されています。

静岡県は南海トラフ巨大地震による強い揺れや津波の影響を受ける可能性が高い地域です。注文住宅を建てる際は、耐震等級や地盤の状況を確認するだけでなく、津波・液状化・土砂災害ハザードマップも確認し、建築予定地に合った災害対策を取り入れましょう。

静岡県内の地盤特性

静岡県は、海沿いの平野部から富士山や伊豆の山間部まで、地形が大きく変化する県です。

当然、地盤の状態も場所によって異なります。沼津市や静岡市の沿岸部では、砂や川が運んだ土が堆積した地盤が見られ、建物を支えるために地盤改良が必要になるケースがあります。

浜松市や袋井市などの河川沿いでも、軟らかい地盤が分布している場所があり、液状化への備えを考えておきたいところです。

一方、富士宮市や伊豆市などの山間部は比較的地盤がしっかりしていますが、傾斜地では土砂災害への注意が欠かせません。同じ市内でも、地盤の状態は土地ごとに変わるため、家づくりでは周辺の評判だけを頼りにしないことが重要です。

まずは建築予定地の地盤を調べ、結果に合わせて基礎や地盤対策を考えることがポイントです。

静岡県内における過去の地震被害・歴史

静岡県は、昔から大きな地震を繰り返し経験してきた地域です。1498年の明応地震、1707年の宝永地震、1854年の安政東海地震では、強い揺れや津波によって県内各地で家屋の倒壊や流失などの大きな被害が発生しました。宝永地震では袋井宿を中心に大きな被害が出たほか、御前崎では地盤の隆起も記録されています。

近年でも、1974年の伊豆半島沖地震、1978年の伊豆半島近海地震、2009年の駿河湾地震、2011年の静岡県東部地震などが発生し、住宅の損壊や土砂災害、道路などのインフラ被害が生じました。

こうした歴史を見ると、静岡県の家づくりでは耐震性能だけでなく、津波や土砂災害、地盤の状況まで含めて考えることが非常に重要です。

静岡県で注文住宅の耐震性を高める4つのポイント

ここでは、注文住宅の耐震性を高める4つのポイントについて解説します。

  • なるべく耐震等級3を基準に検討する
  • 制震・免震装置の導入を検討する
  • 必要に応じて地盤調査・地盤改良を行う
  • 建物の形状をシンプルにする

耐震性の高い注文住宅を建てるには、耐震等級だけでなく、地盤や建物の形状、構造なども考慮することが重要です。

なるべく耐震等級3を基準に検討する

静岡県で注文住宅を建てるなら、耐震性能は「建築基準法を満たしているか」だけでなく、「どこまで地震に備えるか」といった視点でも考えたいところです。

住宅性能表示制度では耐震性能を耐震等級1〜3で評価しており、耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる性能とされています。熊本地震では、耐震等級3を取得した木造住宅は大きな損傷が見られず、大部分が無被害だったという調査結果も報告されました。

南海トラフ巨大地震への備えが求められる静岡県では、注文住宅を検討する際の1つの目安として耐震等級3を選ぶケースが増えています。条件を満たせば金利の優遇や地震保険料の割引を受けられる点もメリットです。資産価値の向上も期待できます。

制震・免震装置の導入を検討する

耐震性能に加えて、制震や免震の導入も選択肢の1つです。

制震は、建物に設置したダンパーが地震の揺れを吸収し、建物へのダメージを軽減する仕組みです。繰り返し発生する余震による負担も抑えやすく、南海トラフ巨大地震が懸念される静岡県では検討する価値があります。

一方、免震は建物と基礎の間に免震装置を設け、地盤の揺れを建物へ伝わりにくくする工法です。揺れを大きく軽減できる反面、導入費用が高く、敷地条件などによって採用できない場合もあります。

コストと性能のバランスを考えると、一般的な戸建て住宅では「耐震等級3+制震」を標準仕様としているハウスメーカーや工務店も増えています。

予算や建築地の条件を踏まえながら、自分たちにあった工法を選びましょう。

必要に応じて地盤調査・地盤改良を行う

どれだけ耐震性の高い住宅でも、それを支える地盤が弱ければ本来の性能を十分に発揮できません。静岡県は沿岸部や河川沿い、盛土造成地など、地域によって地盤の状態が大きく異なるため、注文住宅では建築前の地盤調査が重要です。

調査の結果、軟弱地盤と判断された場合は表層改良や柱状改良、鋼管杭工法など、地盤の状態にあった工法で補強を行います。地盤改良には追加費用がかかりますが、不同沈下や液状化のリスクを抑え、住宅の安全性を高めるための重要な工事です。

地盤改良の必要性は土地ごとに異なるため、必要に応じて地盤調査を行い、その結果をもとに基礎工法や改良方法を検討しましょう。

建物の形状をシンプルにする

注文住宅では、外観のデザインだけでなく建物の形も耐震性に影響します。

地震に強いとされるのは、正方形や長方形に近いシンプルな形状です。凹凸が少ない建物は、地震の力が建物全体に分散しやすく、一部に大きな負荷が集中しにくいためです。

一方、L字型やコの字型など凹凸の多い間取りや、1階だけ大きく開放したガレージ付き住宅などは、構造上の工夫が必要になる場合があります。もちろん、デザイン性を重視した間取りでも、壁や柱の配置、耐力壁のバランスを適切に設計すれば、高い耐震性能を確保することは可能です。

静岡県で注文住宅を建てる際は、見た目や間取りだけで判断するのではなく、構造計算や耐震設計まで含めて提案してくれる会社を選ぶことが、安心できる住まいづくりにつながります。

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静岡県で注文住宅の耐震性を高めるハウスメーカーの選び方

ここでは、静岡県で地震に強い注文住宅を建てるために、契約前に確認しておきたいハウスメーカー選びのポイントについて解説します。

  • 耐震等級は高いか
  • メーカー独自の素材・技術を採用しているか
  • 実大振動実験を実施しているか
  • アフターサービスや保証体制が充実しているか
  • 依頼前にモデルハウスで実物を見学しているか

ハウスメーカーによって、耐震性能や構造、採用している技術などは異なるので、しっかりと見極めることが重要です。

耐震等級は高いか

静岡県で注文住宅を依頼するハウスメーカーを比較する際は、耐震等級を必ず確認しておきましょう。耐震等級には1〜3の3段階(3相当は除く)があり、数字が大きいほど地震に強い住宅とされています。

南海トラフ巨大地震への備えが求められる静岡県では、多くのハウスメーカーが耐震等級3を標準仕様または取得可能な仕様としていますが、すべての住宅が耐震等級3になるわけではありません。

間取りや大開口の窓、ビルトインガレージなどを採用すると、プランによっては耐震等級が変わる場合もあります。そのため、「耐震等級3に対応しています」という説明だけで判断せず、希望する間取りでも耐震等級3を取得できるかを確認することが重要です。

住宅性能評価書の取得可否もチェックしておくと、耐震性能を客観的に確認できます。

メーカー独自の素材・技術を採用しているか

ハウスメーカーを比較するときは、耐震等級だけで判断せず、どのような構造や技術で地震に備えているのかも確認しておきたいポイントです。各社とも、高強度の構造材やオリジナルの耐力壁、制震ダンパーなど、それぞれ特徴のある技術を採用しています。

そのため、同じ耐震等級3でも、建物を支える仕組みや揺れへの考え方はメーカーによって異なります。「独自技術だから安心」と考えるのではなく、構造の仕組みや大地震での実績など、根拠まで説明してもらうのがおすすめです。

カタログの性能だけを見るのではなく、なぜ地震に強いのかを納得できるまで確認したうえで、依頼先を選ぶと安心です。

実大振動実験を実施しているか

実大振動実験とは、実際の大きさの住宅を振動台に載せ、阪神・淡路大震災や熊本地震などで観測された地震波を再現して耐震性能を検証する実験です。

ハウスメーカーの耐震性能を比較する際は、「耐震等級3」という説明だけでなく、その性能をどのように検証しているかも確認しておきたいポイントです。

実験では、建物がどのように揺れ、どの程度の損傷が生じるのかを実物で確認できるため、設計や解析だけではわからない課題を把握できます。

国内には、防災科学技術研究所が運用する「E-ディフェンス」という世界最大級の実大三次元震動台があり、多くのハウスメーカーや研究機関が住宅の耐震性能の検証に活用しています。

静岡県で家づくりを進めるなら、実大振動実験の実績や公開データがあるかも、ハウスメーカー選びの判断材料の1つになります。

アフターサービスや保証体制が充実しているか

家は建てて終わりではありません。長く安心して暮らすためには、引き渡し後の点検や保証が充実しているかも、ハウスメーカー選びの大切なポイントです。

構造や防水などの初期保証期間はもちろん、定期点検の回数や延長保証の条件、不具合が見つかった際の対応体制まで確認しておくと安心できます。

静岡県は南海トラフ巨大地震の発生が懸念される地域でもあるため、万が一の災害時に迅速な点検や補修を受けられる体制が整っているかもチェックしておきたいところです。

また、県内に営業所やメンテナンス拠点があるかどうかによって、対応の早さが変わる場合もあります。住宅性能だけでなく、「建てた後も安心して付き合える会社かどうか」の視点で比較することが重要です。

依頼前にモデルハウスで実物を見学しているか

カタログやホームページだけでは、住まいの良さは伝わりにくいです。気になるハウスメーカーがあれば、契約前にモデルハウスへ足を運び、実際の建物を見ておくことをおすすめします。

室内の広さや天井の高さ、家事動線といった間取りはもちろん、壁の厚みや窓の大きさ、建具の質感など、写真では伝わりにくい部分も確認できます。

あわせて、耐震構造や制震装置の仕組み、使用している構造材について説明を受ければ、その会社が地震対策にどのような考え方を持っているかも見えてきます。

静岡県のように地震への備えが重視される地域では、デザインや価格だけでなく、構造や性能について納得できるまで説明を受けてみましょう。

静岡県で注文住宅の耐震性を高めるなら地域に詳しい専門家へ

静岡県で注文住宅を建てるときは、耐震等級だけでなく、地盤や建築地の条件、建物の形状まで含めて総合的に考えることが必要です。

同じ市内でも地盤の状態は異なり、土地によって必要な対策は変わります。地域の特性を理解した住宅会社に相談し、自分たちの土地にあった耐震計画を立てることが、長く安心して暮らせる住まいにつながります。

TATTA!では、耐震性・断熱性・気密性など住宅性能にこだわった家づくりを行い、一棟ごとに構造や品質を大切にした住まいを提案しています。土地探しから資金計画、間取りづくりまでトータルでご提案できるため、「何から始めればいいのかわからない」という人でも安心です。

静岡県で地震に強い注文住宅を建てたいと考えている人は、ぜひ一度ご相談ください。

参考文献

注文住宅コラム記事一覧