住宅ローンを払えないとどうなる?対応方法やNG行為を解説

住宅ローンを払えないとどうなる?対応方法やNG行為を解説

この記事では、住宅ローンを払えないとどうなるのかについて解説していきます。

家を購入する際には、住宅ローンを組むのが一般的です。資金計画に余裕がなかったり、突然収支のバランスが悪くなったりして、支払いができなくなってしまう人も少なくありません。

この記事では、住宅ローンで払えなくなる原因と対応方法、NG行為について解説します。住宅ローンを払えなくなることが心配な人や、住宅ローンを払えずに悩んでいる人はぜひ最後までお読みください。

● 住宅ローンが払えなくなる原因

● 住宅ローンが払えない場合の対処法

● 住宅ローンを払えないときにやってはいけないこと

住宅ローンが払えない人の割合

フラット35を運営している住宅金融支援機構によると、令和4年度に住宅ローンを滞納してしまった人の割合は3.05%となりました。直近5年の推移は以下の通りです。

年度

リスク管理債権の割合

平成30年度

3.46%

令和元年度

3.20%

令和2年度

3.32%

令和3年度

3.17%

令和4年度

3.05%

※参考1:リスク管理債権|住宅金融支援機構

※参考2:統合報告書2023資料編|住宅金融支援機構

ここ数年では、住宅ローンを払えない人の割合は減少傾向にあります。

ただし、コロナ禍やウクライナ戦争によって物価も高騰してきているため、住宅ローンの滞納は決して他人事ではないといえます。

住宅ローンが払えない原因

住宅ローンが払えなくなる原因についてはさまざまです。大きく分けて以下の4つがあります。

  • 収入の減少
  • 支出の増加
  • 無理がある返済計画
  • 病気や事故などの突発的なアクシデント

順番に見ていきましょう。

収入の減少

最も一般的な原因として挙げられるのが、収入の減少です。

現在までの20年間でリーマンショックや東日本大震災、コロナ禍、ウクライナ戦争などにより日本は大きく景気が後退し、失業者も多く発生しました。景気の後退に対し、国は一時的な住宅ローンの救済措置を展開しましたが、それでも支払いきれない人もいます。

収入の減少は、住宅ローン滞納のリスクを高めることになります。

支出の増加

収入減少と同様に、支出の増加も大きな原因となり得ます。

特に物価高騰と社会保険料の増加は家計に直接影響するため、住宅ローンだけでなく日常生活も困窮するでしょう。

さらには、子供の誕生や進学、生活水準の変化など、支出が増加してしまう要因は少なくありません。支出が増加したタイミングで、住宅ローンの支払いが困難になってしまうでしょう。

無理がある返済計画

そもそも、住宅ローンの返済計画が適切ではない場合も、支払いが困難になるでしょう。

住宅金融支援機構の2022年度 フラット35利用者調査によると、住宅ローン借入額と年収の割合を示した年収倍率は注文住宅で7.7倍、中古戸建で5.7倍となりました。

一般的に7倍程度であれば安全ラインとされていますが、中には希望の不動産を購入するために限界まで借入をしてしまう人もいます。

また、無理な借入をしていなくても住宅ローン控除の還付が終了した翌年度から返済が厳しくなることもあります。

上記の失敗を避けるためにも、返済計画は慎重に立てるべきです。

病気や事故などの突発的なアクシデント

リスクの低い返済計画を組み節約した生活を心がけていても、病気や事故によって収入が途絶えてしまったり支出が急激に増加したりすることがあります。

アクシデントに対処する資金を用意していない場合や、信頼できる親戚・知人に頼れない場合、住宅ローンを滞納してしまうリスクが高くなってしまいます。

住宅ローンが払えないとどうなるのか

住宅ローンの支払いが厳しくなり、滞納してしまうと最終的に強制退去となってしまいます。ここでは、強制退去になるまでの流れを解説していきます。

  • 銀行から督促状が届く
  • 残高を一括返済するよう求められる
  • 家が競売にかけられて住めなくなる

順番に見ていきましょう。

銀行から督促状が届く

滞納し2ヶ月ほど期間が経過すると、金融機関から督促状が届きます。

督促状は滞納していることを示す書類です。支払いが可能な状況であれば、書類が届いた時点ですぐに滞納分を支払うことをおすすめします。

また、支払いが困難だと判明している場合でも、すぐに金融機関に相談しましょう。

残高を一括返済するよう求められる

督促状を債務者に数回送っても滞納分の入金がない場合、債務者は「期限の利益喪失」の通達を受けます。

通知書には、住宅ローンの融資を分割支払いすることの権利が消滅したことが記載されています。残債を一括で返済しなければなりません。

家が競売にかけられて住めなくなる

金融機関の度重なる催告にもかかわらず支払いが改善されない場合、金融機関は債務整理を債権回収会社に依頼します。最終的には裁判所の指示によって家を競売にかけられます。

競売にかけられ明け渡し期限が来れば、家に住み続けられなくなり強制退去となるでしょう。

住宅ローンが払えない場合の対処法6選

住宅ローンを滞納してしまうと家という大事な財産を失うことになるため、支払いが厳しくなった時点で対処しておくことをおすすめします。

住宅ローンが支払いできなくなった場合の対処法は以下の6つが挙げられます。

  • 家計を見直す
  • 金融機関に条件の変更を相談する
  • ローンの借り換えを検討する
  • 保険の適用範囲を確認する
  • 任意売却する
  • リースバックを利用する

順番に解説していきます。

家計を見直す

まずは住宅ローンの支払いができるよう、支出と収入のバランスがよくなるよう家計を見直しましょう。

例えば、小遣いの減額や格安SIMのスマートフォンへの切り替えなど、細かな変更で支出を抑えられます。また、ファイナンシャルプランナーなどのプロに相談し、改善できるポイントを知ることも重要です。

金融機関に条件の変更を相談する

住宅ローンを払えなくなったら、金融機関に条件変更の相談をするのも選択肢の1つです。

金融機関としても滞納により債務を債権会社に譲渡するより、多少計画を変更してでも支払いを継続してくれたほうが利益は大きくなります。

そのため、金融機関に相談し一定期間利息の支払いを延期してもらうなどの措置を講じてもらうことも検討すべきです。

ただし、金融機関ができることはあくまでも利息の延期のみであり、支払い総額の減額はできません。支払い能力が改善された時点で延期していた部分を支払う点には注意が必要です。

ローンの借り換えを検討する

15年以上前に住宅ローンを組んだ人であれば、現行のローンに借り換えすることで月々の支払いを大きく下げられる可能性があります。

例えば、2,000万円の残債を15年で返済する場合、金利が5%だと月々の返済額は15万8,158円ですが1%だと11万9,698円となります。結果的に、約4万円下げることが可能です。

最新の金利情報をチェックし、ローンの借り換えを検討することも大切です。

保険の適用範囲を確認する

突発的なケガや病気によって収入が途絶えてしまった場合、団体信用生命保険の適用条件を確認しましょう。内容によっては残債の支払い義務を免除されるケースもあります。

また、以前加入したまま満期を迎えた生命保険がないかを確認することも重要です。

任意売却する

上記4つの方法を用いても対処しきれない場合は、任意売却も検討する必要があります。

任意売却とは、サービサーと呼ばれる債権回収会社が価格と販売方法を決定し、売却する方法です。一般的な売却とは異なり、住宅ローンの残債以下で売却価格を設定できるため、早期売却できる可能性が高くなるメリットがあります。

また、競売よりも高く売却できることも多く、残債を大きく減らすことも可能です。

住宅ローンの支払いが厳しくなり不動産の売却を試みたものの売れない場合は、金融機関に相談し任意売却を選択することも検討すべきです。

リースバックを利用する

住宅ローンを払えない場合は、リースバックも選択肢に入れる必要があります。

リースバックとは、住みながら家を売却できる商品です。不動産買取会社が家を買取すると同時に賃貸借契約を締結し、家賃を支払いながらそのまま居住できる仕組みです。

住宅ローンや固定資産税の支払いから解放され、さらに近隣住民に知られることなく売却できます。そのため、生活拠点を変更したくない人は検討したい対処法といえます。

住宅ローンを払えないときにやってはいけないこと

住宅ローンの支払いができなくなった場合には先述した対処法を取るべきですが、やってはいけないこともあります。

  • 何も対処せずに放置する
  • 専門家に相談せず自分だけで対処しようとする
  • 返済のためにキャッシングやカードローンを利用する
  • 夜逃げする

順番に解説していきます。

何も対処せずに放置する

督促状が何度届いても無視し、金融機関からの連絡に対処せず放置する方法はおすすめできません。なぜなら、金融機関は支払いが可能となるプランを提案してくれることもあり、無視すると損する場合があるからです。

最終的には競売による強制退去となってしまうため、金融機関からの連絡には必ず対応すべきです。

専門家に相談せず自分だけで対処しようとする

専門家に相談せず、自分だけで対処しようとするのもおすすめできません。不動産会社やファイナンシャルプランナー、金融機関の担当者などお金に関する専門家は数多くいます。

住宅ローンの返済について1人で悩んでいても、解決策は簡単には考えつきません。なるべく早い段階で専門家に相談し、より良い解決策を見つけることをおすすめします。

返済のためにキャッシングやカードローンを利用する

住宅ローンの返済をするためにフリーローンや消費者金融から借入する方法もリスクが高いといえます。

なぜなら、住宅ローンは他のローンよりも金利が低く、月々の返済額は安くなるからです。結果的に月々の返済額が高くなり、返済がさらに苦しくなってしまう方法といえます。

夜逃げする

最もやってはいけない行動が夜逃げです。

どのような理由であれ、債務と家を放棄し夜逃げしてしまうと、賃貸を借りることもクレジットカードを作ることもできなくなります。住所不定になれば、就職も困難になるでしょう。

夜逃げは決してしないよう、他の方法を模索すべきです。

住宅ローンの返済に関するよくある質問

ここでは、住宅ローンの返済に関するよくある質問についてまとめました。

  • 住宅ローン残高の一括返済を求められたら、家族にも支払い責任はある?
  • 離婚した場合のローン残高は誰が払う?
  • 住宅ローンの条件変更を銀行と交渉するときのポイントは?

順番に回答していきます。

住宅ローン残高の一括返済を求められたら、家族にも支払い責任はある?

基本的に家族が支払いを肩代わりすることはありません。

ただし、配偶者や両親が連帯債務や連帯保証人に入っている場合もあります。その場合は支払い責任があるため、金消契約の内容は細かくチェックしておくことをおすすめします。

離婚した場合のローン残高は誰が払う?

離婚と住宅ローンの債務者がリンクすることはなく、金消契約を締結した債務者に支払い義務が発生します。

夫が債務者であれば夫に支払い義務があり、夫婦共同で所有し債務者となっている場合はそれぞれの持分に応じた支払いが発生します。

住宅ローンの条件変更を銀行と交渉するときのポイントは?

原則住宅ローンの条件変更は困難です。ただし、支出と収入の現状と将来の見込みなどを金融機関に細かく説明し、条件変更するメリットがあると金融機関が判断すれば可能です。

そのため、現状と条件変更の必要性をしっかりまとめて説明できる状態にしておくことがポイントといえます。

住宅ローンを払えないときはすぐ専門家に相談しよう

住宅ローンは100人の内約3人が滞納してしまうため、他人事とは考えずしっかりリスクヘッジすべきです。

ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者といったお金の専門家に相談することで、住宅ローンを払えなくなって困るリスクを下げられます。

また、家づくりにおける住宅ローンに関する相談は建築会社に相談するのもおすすめです。

TATTA!は、住まいの基本が全て入ったワンプライスの注文住宅を取り扱っています。TATTA!は多くの金融機関と提携しており、優秀なファイナンシャルプランナーも在籍しています。

資金計画に関する悩みを、実際の借入可能額の試算なども行って解決していきますので、住宅ローンで失敗したくない人はTATTA!にぜひお問い合わせください。

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