コラム

2025年度の太陽光発電の売電価格は、以下のとおりです。

参考：買取価格・期間等｜FIT・FIP制度｜なっとく！再生可能エネルギー｜経済産業省

調達価格や調達期間は、各電源ごとに適正な利益などを勘案して国が定めます。2025年度においては10月から、10kW未満と10kW以上（屋根設置）の売電価格が変動します。

ここからは、売電価格について以下の項目を解説します。

• 過去の売電価格の比較
• そもそもFIT制度とは
• 売電価格が下落傾向にある理由

太陽光発電の売電価格は、年度により変動するケースがあります。過去10年間における住宅用売電価格（10kW未満）の比較をまとめた表は以下です。

※参考：過去の買取価格・期間等｜FIT・FIP制度｜なっとく！再生可能エネルギー｜経済産業省

太陽光発電の売電価格は年々下落しており、10年前と比較すると約10円下がっています。売電価格は今後も下がる可能性があり、収益性を重視すると以前のようにはいかないことが考えられます。

FIT制度とは経済産業省が2012年7月に開始した、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定の固定価格で買い取る制度のことです。

電力会社が買い取る費用の一部を電気を利用者から賦課金という形で集め、再生可能エネルギーの導入を促進しています。対象となる再生可能エネルギーは、「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」です。

一般住宅の屋根に載せる10kW未満の太陽光は、自分で消費した後の余剰分が買取対象となります。

※参考1：制度の概要｜FIT・FIP制度｜なっとく！再生可能エネルギー

※参考2：第3部　第3章　第1節　固定価格買取制度（FIT）の適切な運用｜平成29年度エネルギーに関する年次報告（エネルギー白書2018） HTML版｜資源エネルギー庁

売電価格が年々、下落傾向にあるのは以下の理由が考えられます。

• 設置費用が低下しているから
• 再エネ賦課金が抑制されているから

FIT制度開始当初では設備費用が高く、初期投資額に見合う収益確保が困難でした。しかし、現在では太陽光発電の普及拡大や生産技術の進歩に伴い、導入費用が低下している状況です。

FIT制度の原資は国民から徴収する「再エネ賦課金」で、月々の電気代に上乗せされています。

再エネ賦課金は年々上昇していることもあり、国民の負担を軽くするために国が売電価格をコントロールすることで賦課金を抑制しているといえるでしょう。

太陽光発電の売電価格は、FIT制度による買取価格の下落もあり、今後も低下傾向が続く可能性があります。

電力中央研究所の資料によれば、2030年度までに住宅用太陽光発電の売電価格を8.5円/kWhまで引き下げることを想定しています。

※参考：2030年における太陽光発電導入量・買取総額の推計と今後の制度設計のあり方（P3）｜電力中央研究所

10年後に売電価格が下がるとされているのは、住宅用太陽光発電に適用されるFIT（固定価格買取制度）の買取期間が10年間と定められているためです。

いわゆる「卒FIT」となり、FIT制度の適用外となるでしょう。

FIT期間中は固定価格で売電できますが、卒FIT後の売電価格は電力会社との相対契約によって決まるため、保証されていません。各電力会社は卒FIT向けの買取プランを提供しているため、買取価格が高い会社を選ぶようにしましょう。

売電価格は年々下落していることもあり、太陽光発電で売電収入を効率よく得るには以下のコツが重要になります。

• 売電価格が高い電力会社を選ぶ
• 自家消費を最適化する
• 発電効率の良い太陽光パネルを選ぶ

FIT制度期間中の10年間であれば、売電価格は国が定めているため、電力会社によって売電価格が変わることはありません。

しかし、FIT期間終了後（卒FIT後）は、売電価格が高い電力会社を選ばないと収益が下がる可能性があります。卒FIT後も太陽光発電で売電収入を得るのであれば、高く買取してもらえる事業者に乗り換えましょう。

新電力会社では、大手電力会社より高めの買取プランを提供している場合があります。

太陽光発電で経済的メリットを受けるには、自家消費を最適化することも重要です。

FIT制度導入初期は売電価格が高かったため、発電した電気をできるだけ多く売れば高い収益を得られました。

しかし、近年では売電価格が下落傾向にあり、思うように収益を上げるのは難しい状況です。

発電した電気を家庭で優先的に利用すれば、その分電気代が削減されるので経済的にメリットを得られます。

太陽光発電を最大限に利用するには、発電効率の良い太陽光パネルを選ぶことも重要です。

日本の住宅事情では、屋根の面積が限られていることが多いですが、発電効率の高いパネルを設置すればより多くの発電量を得られます。

屋外での長期使用にも耐えられる、耐久性の高い太陽光パネルを選びましょう。太陽光パネルを設置する方角は「真南」が最適であり、角度は30度前後が適しています。

太陽光発電の売電収入や節電効果は、設置容量 や年間発電量、売電単価などにより変動します。ここでは、以下の条件を設定して実際にシミュレーションを行います。

条件をもとに売電収入・節電効果をシミュレーションした結果は、以下のとおりです。

※参考：太陽光発電・蓄電システム シミュレーション（簡易版）｜京セラをもとに筆者作成

参照すると、太陽光発電を設置することにより、毎月の売電金額は5,149円、節約できる電気料金が8,949円と想定されます。

年間では、売電金額が61,793円、節約電気料金が10万7,390円の予想です。

表をもとに、設置年数1〜10年間で得られる売電収入・節電効果をシミュレーションで予想すると、以下のとおりです。

年数が経過すると、太陽光パネルが老朽化するなどして発電電力量が低下する可能性はありますが、おおよそ上記の売電収入・節電効果を得られる可能性があるでしょう。

TATTA！（グッドリビング株式会社）では、太陽光発電が標準仕様になっており、家づくりに必要な設備が全て入っていながら、完成まで追加費用が発生しないことを強みとしています。

ここでは、TATTA！が自信を持っておすすめできる、太陽光発電を取り入れた注文住宅の施工事例をご紹介します。

＜太陽光発電を取り入れた注文住宅の施工事例：太陽光で豊かに暮らす家＞

※出典：太陽光で豊かに暮らす家｜建築事例｜TATTA！

太陽光6.08Kwを搭載したエコな住宅です。落ち着いたブルーの外観がシンプルかつスタイリッシュな印象を実現しました。

一般的な住宅屋根に載せられる容量の平均は5kWですが、この施工事例では6.08Kwで、電気代の節約はもちろんのこと、売電収入も期待できます。

※出典：太陽光で豊かに暮らす家｜建築事例｜TATTA！

構造がツーバイフォーであるため、LDKは21帖と大きな空間が取れるのが嬉しいポイントです。明るい太陽の光が差し込む広々とした空間で、家族全員でゆったりくつろげるでしょう。

※出典：太陽光で豊かに暮らす家｜建築事例｜TATTA！

主寝室は8帖の正方形で、左右対称に家具を配置しやすく、すっきりとした空間を演出しました。

縦型3連スリットの窓が設置されており、必要な採光は取り入れながらシンプルモダンな雰囲気を感じられます。

TATTA！では、他社でオプションになるようなハイグレードな設備が標準仕様のため、「よい住宅をより安く」ご提案可能です。

資金計画についてのご相談も、お客様に寄り添いながら承りますので、ぜひご検討ください。

太陽光発電の売電価格に関しては、以下のような質問が寄せられます。

・太陽光発電で売電できなくなるって本当？

・太陽光を売電から自家消費に切り替える方法は？

・太陽光発電の導入で使える補助金は？

それぞれの質問について解説しましょう。

結論として、現時点（2025年5月）で太陽光発電が売電できなくなることはありません。

住宅用太陽光発電の場合、FITの買取期間は10年間と定められていますが、契約期間が終了しても多くの電力会社では買取プランを提供しています。

FIT期間終了後に売電価格が下がり、経済的なメリットが薄れるとしても売電自体は継続できるといえます。

FIT制度の適用終了後は売電価格が下がるため、自家消費へ切り替えるケースも見受けられます。自家消費に切り替えるには、蓄電池やEVを導入するのが一般的です。

太陽光発電を売電型から自家消費に切り替える場合は、逆潮流を防止する機器と発電量を最適に保つための制御装置が必要です。

切り替えには費用がかかるため、FIT終了が近い場合は早めに専門業者に相談しましょう。

また、電力会社への契約変更の手続きも必要です。

太陽光発電の売電価格や今後の推移を知っておこう