夏の電気代は平均いくら?エアコンの効率的な節約方法も解説

夏の電気代は平均いくら?エアコンの効率的な節約方法も解説

夏の暑さが本格化すると気になり出すのが、毎月の電気代です。

特に、夏の生活には欠かせないエアコンの使用量が増えると、「今月の電気代はいくらになるのだろうか?」と不安に感じる人も少なくありません。

この記事では、夏の電気代の平均額を紹介し、効率的な節約方法も解説します。快適、かつお財布に優しい夏を過ごしたい人は、ぜひ参考にしてください。

夏の電気代は平均いくら?

電気代は、エアコンを頻繁に使用する時期になると電気の使用量が増えるため、シーズンにより大きく変動します。

ここでは、総務省の家計調査をもとに季節ごとの平均的な電気代を以下にまとめました。

【2024年:シーズン別 電気代の平均額】

シーズン

電気代の平均額(円)

1~3月(※1)

13,265

4~6月(※2)

11,125

7~9月(※3)

11,984

10~12月(※4)

11,657

※参考1:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 四半期 2024年1~3月期|政府統計の総合窓口

※参考2:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 四半期 2024年4~6月期|政府統計の総合窓口

※参考3:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 四半期 2024年7~9月期|政府統計の総合窓口

※参考4:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 四半期 2024年10~12月期|政府統計の総合窓口

参照すると、電気代が最も高いシーズンは冬(1〜3月)で、平均額が13,265円でした。次に多いのは夏(7〜9月)の11,984円です。

ただし、電気代は家族の人数や住む場所によって大きく変動する傾向があります。使用する電気機器によっても電気代の使用量は大幅に異なります。

次に、世帯別・地域別・製品別に電気代の平均額も見ていきましょう。

  • 【世帯別】夏の電気代の平均額
  • 【地域別】夏の電気代の平均額
  • 【製品別】夏の電気代の平均額

【世帯別】夏の電気代の平均額

総務省の家計調査によれば、6〜8月における世帯別の電気代平均額は下表のとおりです。

【2024年:世帯別 夏の電気代の平均額】

世帯人数

6月(円)(※5)

7月(円)(※6)

8月(円)(※7)

2人

8,786

8,972

10,999

3人

9,856

10,292

13,078

4人

10,210

10,949

13,047

5人

11,371

11,300

14,632

6人以上

13,542

13,390

16,790

平均

9,562

9,896

12,225

※参考5:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2024年6月|政府統計の総合窓口

※参考6:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2024年7月|政府統計の総合窓口

※参考7:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2024年8月|政府統計の総合窓口

参照すると、6〜8月の夏場で電気代が最も高くなるのは8月で、平均額は12,225円となりました。標準的な世帯である家族4人では8月の平均電気代が13,047円です。

一般的に世帯人数が増えるほど電気使用量が増加することから、それに伴い電気代も高くなる傾向が見られます。

【地域別】夏の電気代の平均額

次に、地域別における夏の電気代の平均額を見ていきましょう。総務省の家計調査によれば、6〜8月における地域別の電気代平均額は下表のとおりです。

【2024年:地域別 夏の電気代の平均額】

エリア

6月(円)(※8)

7月(円)(※9)

8月(円)(※10)

東京都区部

8,280

8,174

11,072

静岡県静岡市

10,917

11,110

14,519

神奈川県横浜市

9,590

9,444

11,200

愛知県名古屋市

9,171

8,514

13,526

岐阜県岐阜市

9,407

11,646

14,045

全国平均

9,562

9,896

12,225

※参考8:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2024年6月|政府統計の総合窓口

※参考9:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2024年7月|政府統計の総合窓口

※参考10:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2024年8月|政府統計の総合窓口

参照すると、地域により同じ月でも電気代には差があることが分かりました。上記5つのエリアで夏の電気代が最も高いのは静岡県静岡市で、どの月も夏場は全国平均を超えています。

電気代を節約するには、夏でも涼しく過ごせる断熱性能の高い家が理想といえるでしょう。

【製品別】夏の電気代の平均額

家電製品別における、夏季の電力消費割合は以下のとおりです。なお、8月における全国の夏の平均電気代12,225円を電力消費割合で割り出し、電気代の目安を算出しました。

【2024年8月:製品別 夏の電気代の平均額目安】

電気製品

電力消費割合(%)

電気代の目安

エアコン

34.2

約4,181円

冷蔵庫

17.8

約2,177円

照明

9.6

約1,174円

給湯

6.1

約746円

テレビ・DVD

4.6

約562円

※参考11:省エネルギー政策について|資源エネルギー庁

参照すると、夏季の電気代で最も多い割合を占めたのはエアコンで、全体の34.2%です。次に多いのは冷蔵庫の17.8%、照明が9.6%と続いています。

エアコンは在宅時間が長いほど使用時間が増えるため、リモートワークが多い人は夏場の電気代が悩ましくなりそうです。

夏の電気代を占めるエアコンの効率的な節約方法

エアコンは消費電力が大きいため、効率の良い使い方をすることが重要です。ここでは、夏の電気代の多くを占めるエアコンの効率的な節約方法について解説しましょう。

  • フィルターを掃除する
  • 冷やしすぎに注意して無理のない温度を設定する
  • 風よけカバーを付ける
  • 室外機周辺に物を置かないようにする
  • 新しいエアコンに買い替える

フィルターを掃除する

エアコンのフィルターを掃除すると効率的に運転できるため、節約方法の1つとして効果的です。フィルターが汚れていると、エアコンは空気を吸い込む際に余計な力が必要になり、その分多くの電力を消費してしまうでしょう。

環境省によれば、フィルターが目詰りしているエアコン(2.2kW)とフィルターを清掃した場合を比較すると、年間で電気31.95kWhの省エネになり、約990円を節約できるとのことです。

フィルターの目詰まりはエアコンに負担をかけ、故障の原因となることがあるため、定期的に清掃するとエアコンの寿命を延ばすことにつながります。

※参考12:無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト

冷やしすぎに注意して無理のない温度を設定する

エアコンの省エネは、冷やしすぎに注意し、無理のない範囲で室内温度を上げることが重要なポイントです。エアコンは、設定温度と現在の室温の差が大きいほど、より多くの電力を消費し、冷房の場合は温度を1度上げるだけで、約10%の節電になるといわれます。

環境省では、快適に暮らせる範囲で省エネルギーを目指すために、室温を夏季28℃、冬季20℃とすることを推奨しています(設定温度ではありません)。あくまで目安であり、体感温度は湿度や服装によっても変わるため、無理のない範囲で調整することが大切です。

夏は熱中症の危険があるため、体に負担をかけない程度に実践しましょう。

※参考13:エアコンの使い方について|家庭部門のCO2排出実態統計調査(環境省)

風よけカバーを付ける

エアコンの風よけカバー(室内機用)を付けると、間接的に節約効果を得られる場合があります。風よけカバーで風向きを調整し、部屋全体に冷気や暖気を分散させることで、体感的に快適さが増し、夏場は設定温度を無理なく上げられるようになります。

ただし、商品によってはカビや結露が発生しやすいものもあるため、所有するエアコンに合う風除けを選びましょう。

室外機周辺に物を置かないようにする

室外機周辺に物を置かないようにすることもエアコンの節約に欠かせないポイントです。

エアコンの室外機は、室内機と同様に空気を吸い込んだり吐き出したりして、熱を屋外に逃がし、屋外の熱を集めています。

この熱交換は、室外機の周りの空気がスムーズに流れることで行われます。室外機の周辺に物を置いてしまうと、空気の循環がうまくいかないため放熱などに支障を来すおそれがあるので注意しましょう。

室内から排出したい熱を効率よく外に放出できなくなると、エアコンはより多くのエネルギーを使って熱を排出しようとするため消費電力量が多くなります。

新しいエアコンに買い替える

新しいエアコンに買い替えることは、節約に効果的な選択肢の1つです。特に、10年以上前の古いエアコンを使用している場合は効果が高くなります。

省エネタイプのエアコンは10年前と比べると約15%の省エネとなるため、年間の電気代を抑えられます。

省エネ性能だけでなく、静音性や除湿能力、空気清浄機能なども進化しており、より快適な室内環境を実現できます。

※参考14:機器の買換で省エネ節約| 家庭向け省エネ関連情報|省エネポータルサイト

夏の電気代が平均より高い場合の節約方法

近年、電気代が高騰していることもあり、夏の電気代の高さが家計にとって大きな問題です。

ここでは、夏の電気代が平均より高い場合の節約方法について解説します。

  • 電力会社やプランを見直す
  • 使用しない電化製品のプラグを抜いておく
  • 冷蔵庫と壁の隙間を空ける
  • 省エネタイプの照明に切り替える

電力会社やプランを見直す

電気代が平均よりも高いと感じた場合は、電力会社や契約プランを見直すことも検討して見ましょう。

2016年から、家庭向けなどを含めた電力の小売全面自由化がスタートしたため、さまざまな電力会社が市場に参入し、多様な料金プランを提供するようになりました。

これにより、私たちは自分のライフスタイルや電気の使用状況に合った電力会社やプランを自由に選べるようになっています。

ガス会社や通信会社(インターネット、携帯電話)など、他のサービスと連携したセット割引を提供している電力会社が増えているので、プランをいろいろ検討して賢く選んでみるのも良い方法です。

使用しない電化製品のプラグを抜いておく

使用しない電化製品のプラグを抜いておくことも、待機電力を削減できるので電気代の節約につながります。

資源エネルギー庁によれば、テレビやパソコン、プリンターなどは、本体の主電源を切ったり、長時間使わない時はコンセントからプラグを抜いて待機電力をゼロにすることで、0.5%〜0.8%の節電効果がもたらされるとのことです。

ただし、冷蔵庫や洗濯機、照明器具、エコキュートや給湯器などは待機電力はありますが、プラグを抜きっぱなしにはできません。

全ての電化製品に対応できるわけでないので注意しましょう。

冷蔵庫と壁の隙間を空ける

冷蔵庫と壁の隙間を空けることも、電気代の節約効果を期待できます。なぜなら、必要なスペースを確保すれば冷蔵庫が効率的に放熱されるからです

隙間の目安としては、冷蔵庫と側壁面との間に5mm程度の隙間があれば放熱ができるといわれています。

冷蔵庫は24時間365日電源を入れっぱなしにしている家電製品であり、夏場は特に電気量を消費するため、実践してみましょう。

省エネタイプの照明に切り替える

照明も家庭では良く使用される電化製品であるため、省エネタイプに切り替えることで電気代の節約に効果があるでしょう。特に、古いタイプの白熱電球や蛍光灯からLED照明に交換した場合、節約効果は大きいといえます。

資源エネルギー庁によれば、68Wの蛍光灯器具から34WのLED照明器具に交換(年間2,000時間使用)することで約2,108円(年間)の節約ができるとされています。

LED照明は、白熱電球や蛍光灯に比べて、同じ明るさを得るための消費電力が格段に少ないため、交換すると電気代を節約することが可能です。

夏の電気代に関するよくある質問

最後に、夏の電気代に関するよくある質問について回答します。

  • エアコンをつけっぱなしにすれば夏の電気代は安いって本当?
  • オール電化にすれば夏の電気代は安くなる?
  • 一人暮らしなのに電気代が高い原因は?

エアコンをつけっぱなしにすれば夏の電気代は安いって本当?

夏のエアコンの電気代については、つけっぱなしの方が安くなるというのは、状況によって変わります。なぜなら、エアコンはこまめに切るより「つけっぱなし運転」の方が効率よく運転できるともいわれているからです。

設定温度に到達した後は、低い消費電力で温度を維持します。これにより、起動時の大きな消費電力を何度も発生させることなく、快適な室温を保てるため、トータルで消費電力を抑えることができると考えられます。

オール電化にすれば夏の電気代は安くなる?

エコキュートは夏場は外気温が高いことから、冬場に比べてより効率的にお湯を沸かすことが可能です。少ない電力でお湯を沸かすため、電気代を抑えられるでしょう。

ただし、オール電化で家庭の電気代を安くするには、年間を通しての電気代を試算することが欠かせません。電力会社の切り替えをする場合はよく検討することが重要です。

一人暮らしなのに電気代が高い原因は?

一人暮らしなのに電気代が高いと感じる場合は、エアコンの効率が悪いことが考えられます。

電気代が高くなる最大の原因は多くの場合、エアコンの消費電力が多いことです。自動運転モードを活用するなど、効率の良い運転を心がけましょう。

夏の電気代を効率よく節約して快適な生活にしよう

夏の電気代の最大の要因はエアコンの使用ですが、エアコンなしで夏を過ごすことはほとんど不可能といえます。

省エネの工夫と賢い家電の使い方次第では、電気代を効率よく節約できる可能性があります。

しかし、電気代の節約には限度があるため、家づくりの段階で涼しく快適に暮らせる住まいを検討することが重要です。

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ご家族が安心・快適に暮らせるマイホームを検討している方は、ぜひ、当社へお気軽にお問い合わせください。

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