新築住宅でも地震で倒壊する?リスクを抑える方法や地震に強い工法を解説

この記事では、新築住宅でも地震で倒壊するのかを解説します。
結論、新築住宅でも地震で倒壊するおそれがあります。新築住宅は現行の耐震基準を満たし、地震に強い家だといえますが、大規模地震による倒壊のリスクはゼロとは言いきれません。
地震で新築の倒壊リスクを軽減する方法として、土地探しの段階で地盤の強さを確認することや、耐震・免震技術を採用することなどがあります。
この記事では、新築住宅でも地震で倒壊するのか、リスクを抑える方法や地震に強い工法を解説します。大規模な地震にも強いマイホームを実現したい人はぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
●新築でも地震で倒壊するリスクはあるのか
●地震で新築の倒壊リスクを軽減する方法
●地震に強い新築の主な工法・構造
新築でも地震で倒壊するリスクはあるのか
新築住宅であっても、地震による倒壊リスクは完全に排除できません。
現行の耐震基準を満たして建築された新築住宅でも、地震の規模や地盤の状態、施工の品質などにより、被害を受けるおそれがあります。
- 倒壊のリスクを左右する耐震基準とは
- 実際の大規模地震による新築の被害状況
ここからは、上記2点について見ていきましょう。
倒壊のリスクを左右する耐震基準とは
新築住宅の地震による倒壊リスクを左右する主な要因の1つに、耐震基準があります。
日本の耐震基準は1981年に大幅に改定され、新耐震基準が導入されました。その後、2000年にも改正されています。
新耐震基準では、震度6強から7程度の地震でも、人命に危険を及ぼすような倒壊や崩壊が起こらないことを目指しています。
さらに、住宅性能表示制度における耐震等級では、等級1から3までのランクが設定されており、等級3は消防署や警察署などの防災拠点と同等の耐震性能を持ちます。
新築住宅を建築する際には、可能な限り耐震等級3を目指すことがおすすめです。
実際の大規模地震による新築の被害状況
近年発生した大規模地震における新築住宅の被害状況を見てみると、現行の耐震基準を満たした住宅でも被害を受けるケースが報告されています。
2016年の熊本地震では、震度7の揺れが2度観測され、新耐震基準で建てられた住宅でも一部が倒壊・崩壊する被害が確認されました。
主な原因として、隣接家屋の倒壊や、施工不良などが挙げられます。以下の表にて、建築時期別の倒壊率を記載しました。
建築時期 |
旧耐震基準の木造建築物 |
昭和56年6月~平成12年5月 |
平成12年以降 |
倒壊率(棟数) |
28.2%(214棟) |
8.7%(76棟) |
2.2%(7棟) |
この表から、新築住宅のほうが地震による倒壊率が低いことがわかりますが、被害を受けている住宅も存在していることがわかります。
ただし、耐震等級3以上の家の場合、倒壊した家は存在しません。そのため、地震による倒壊リスクを減少させるには、耐震等級3以上にするのが効果的であることがわかります。
地震で新築の倒壊リスクを軽減する方法
ここでは、地震で新築の倒壊リスクを軽減する方法について解説します。
- 土地探しで地盤の強さを確認する
- 耐震基準3の家を建てる
- 建物の高さ(階数)を抑える
- 建物の形・構造をシンプルに設計する
- 制震・免震技術を採用する
- 地震による火災・浸水被害などにも備える
順番に見ていきましょう。
土地探しで地盤の強さを確認する
新築住宅を建てる際、土地の地盤の強さを確認することは、地震による倒壊リスクを軽減するために非常に重要です。
地盤が弱い場所では、地震時に液状化や地盤沈下が発生し、建物が傾いたり倒壊したりするおそれがあります。特に、埋立地や軟弱地盤の地域では、基礎工事を強化するなどの追加対策が必要になります。
地盤の強さを確認するためには、公的機関が提供するハザードマップを活用し、事前に調査することが有効です。
また、地盤調査を専門業者に依頼し、必要に応じて地盤改良工事を行うことで、安全性を高めることが可能です。
耐震基準3の家を建てる
耐震性能を高めるためには、建築基準法の耐震基準を満たすだけでなく、住宅性能表示制度で定められている耐震等級3の住宅を選択することがおすすめです。
耐震等級3は、消防署や警察署などの防災拠点と同等の耐震性能を持ち、震度6強〜7の大地震にも耐えられる設計が施されています。
耐震等級1の住宅と比較すると、耐震等級3の住宅は約1.5倍の強度を持ち、倒壊リスクを大幅に軽減できます。新築住宅を建てる際には、設計段階で耐震等級3を基準とし、構造計算を行いながら強固な建物を計画することが重要です。
※参考:新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド|国土交通省
建物の高さ(階数)を抑える
地震の揺れの影響を受けにくくするためには、建物の高さを抑えることも効果的な対策の1つです。
一般的に、建物の高さが高くなるほど揺れ幅が大きくなり、倒壊リスクが高まる傾向にあります。特に木造住宅の場合は、2階建てよりも平屋のほうが地震の影響を受けにくく、安全性が向上します。
また、重心が低い建物ほど安定しやすくなるため、屋根の軽量化や間取りの工夫によって重心を低く抑えることも、耐震性向上につながります。
建物の形・構造をシンプルに設計する
建物の形状が複雑なほど、地震時の揺れによる負担が不均等にかかり、倒壊のリスクが高まります。
そのため、できるだけシンプルな形状の建物を設計することが耐震性向上のポイントです。
例えば、凹凸の多いL字型やコの字型の建物よりも、長方形や正方形の建物のほうが構造的に強く、地震の揺れに対して安定しやすくなります。
また、壁の配置バランスを均等にすることで、建物全体の剛性を高めることが可能です。
制震・免震技術を採用する
新築住宅の耐震性能をさらに向上させるためには、制震・免震技術の導入も効果的です。
制震構造は、地震のエネルギーを吸収するダンパーを建物内部に設置し、揺れを軽減する技術です。一方、免震構造は、建物と基礎の間に免震装置を設置し、地震の揺れを直接建物に伝えない仕組みです。
制震・免震技術を採用することで、地震発生時の建物の損傷を大幅に軽減し、倒壊リスクを低減することが可能です。
地震による火災・浸水被害などにも備える
地震による被害は、建物の倒壊だけでなく、火災の発生や津波・洪水による浸水も考慮する必要があります。
地震後の火災対策として、感震ブレーカーの設置や耐火性の高い建材の使用が有効です。
また、津波や洪水のリスクが高い地域では、建物の基礎を高くしたり避難経路を確保したりするなどの対策を取りましょう。
さらに、非常用電源や備蓄品を準備することで、地震後のライフラインの途絶に備えることも重要です。
新築住宅を計画する際には、耐震対策だけでなく、火災や水害にも対応できる総合的な防災対策を取り入れることが、安全な住まいづくりにつながります。
地震に強い新築の主な工法・構造
ここからは、地震に強い新築の主な工法・構造について解説します。
- ツーバイフォー工法(2x4工法)
- RC工法(鉄筋コンクリート造)
- プレハブ工法(軽量鉄骨造)
- ラーメン工法(ラーメン構造)
- セーフティ ストロング工法
順番に見ていきましょう。
ツーバイフォー工法(2x4工法)
ツーバイフォー工法(2×4工法)は、床や壁などの面で建物を支える構造であり、耐震性に優れているとされています。
従来の在来工法と比較して、構造的にねじれにくく、一方向からの力だけでなく、全体的にバランスよく地震の力を受け流す仕組みになっています。
また、柱や梁に頼らず、壁自体が構造体となるため、耐震性だけでなく耐風性にも優れています。地震の多い日本において、ツーバイフォー工法は倒壊リスクを低減する有効な選択肢の1つです。
RC工法(鉄筋コンクリート造)
RC工法(鉄筋コンクリート造)は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた建築工法で、高い耐震性と耐火性を持つことで知られています。
鉄筋は引張力に強く、コンクリートは圧縮力に強いため、この2つを組み合わせることで、地震による揺れや外部からの衝撃に強い構造を作ることができます。
また、RC造は建物の重量が大きいため、揺れを受けにくいという特性もあります。一方、建築コストが比較的高く、施工に時間がかかる点は注意が必要です。
しかし、長期的に見れば耐久性が高く、メンテナンスの手間も少ないため、地震に強い新築住宅を求める場合には、RC工法が適した選択肢でしょう。
プレハブ工法(軽量鉄骨造)
プレハブ工法(軽量鉄骨造)は、工場で製造された部材を現場で組み立てる工法で、品質が均一であることが特徴です。
鉄骨を使用することで、木造よりも強度が高く、地震の揺れにも耐えやすい構造となります。軽量鉄骨を採用することで、建物自体が軽量化され、地震の揺れによる負担が軽減される点もメリットです。
また、工場での事前加工により、施工期間が短縮され、コストを抑えられる場合があります。
ラーメン工法(ラーメン構造)
ラーメン工法(ラーメン構造)は、柱と梁を強固に接合し、枠組み全体で建物を支える構造です。
この工法の最大の特徴は、耐震性の高さと設計の自由度の高さです。柱と梁で支えるため、壁の配置を比較的自由に決めることができ、大きな開口部を作ることも可能です。
また、剛性が高く、地震の際に発生する水平力を建物全体で受け止めるため、倒壊のリスクを抑えやすい構造になっています。
特に、大型の商業施設や高層ビルにも採用されることが多く、新築住宅においても、耐震性を重視する場合には有力な選択肢となります。
セーフティ ストロング工法
セーフティ ストロング工法は、地震に強い新築住宅を実現するために開発された最新の建築工法の一つです。
この工法では、耐震性を高めるための特殊な設計や素材を使用し、建物の強度を向上させることが可能です。
従来の耐震工法と比べて、地震時のエネルギーを効率的に吸収・分散する仕組みが採用されており、倒壊リスクを大幅に低減できます。
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さらに、住友ゴムが開発した制震装置「MIRAIE(ミライエ)」が標準装備です。2017年1月に実施された、京都大学防災研究所による実大実験では、震度7相当の揺れに対し最大95%の揺れ幅を軽減できることが確認されています。
この制震技術により、繰り返しの地震でも建物へのダメージを抑え、長期間にわたって安全な住まいを実現できます。
また、TATTA!では、地震による損害修理や建て替えの補修費用を、購入価格を上限に100%保証する制度(※)を提供しています。
※注釈: ・総保証限度額 日本全国で発生した全保証物件の損壊に対する総保証額10億円まで ・総保証限度額を超える場合は、次の算式によって算出した額を保証限度額とする 「保証限度額=建物価格(税込)×10億円/全保証物件の損壊に対する保証額」 ・総保証限度額を超えた地震の後に再度地震により損壊が発生した場合には、保証対象外となる |
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地震による新築の倒壊リスクに関するよくある質問
ここからは、地震による新築の倒壊リスクに関するよくある質問を紹介します。
- 地震で家が壊れ たらどこに住む?
- 地震によって住宅ローンだけ残ることはある?
- 地震保険に入らないとどうなる?
疑問の解消にお役立てください。
地震で家が壊れ たらどこに住む?
地震によって自宅が倒壊・損壊し、住めなくなった場合、まずは自治体が設置する避難所に身を寄せることが一般的です。市区町村の体育館や公民館などが一時的な避難先となるケースが多く、食料や水、生活必需品が支給されることもあります。
その後、自宅の修理や建て替えが必要になった場合は、仮設住宅やみなし仮設住宅を利用できる場合があります。自治体や国の支援策が適用されることもあるため、被災後は早めに行政の窓口で相談することが重要です。
また、火災保険や地震保険に加入している場合、保険金を活用して新たな住まいを確保する選択肢もあります。
賃貸住宅に住む場合や親族・知人の家に身を寄せることも考えられますが、長期的な住居の確保については、各自治体のサポート制度を確認しながら計画を立てることが必要です。
地震によって住宅ローンだけ残ることはある?
地震で自宅が倒壊しても、住宅ローンの返済義務がなくなるわけではありません。
特に地震保険に未加入の場合、建物が失われてもローンの支払いは継続され、結果として「家は失ったのにローンだけが残る」状況になってしまう可能性があります。
ただし、地震で家が損壊した際には、金融機関による返済猶予制度や、政府・自治体の災害支援策が適用される場合があります。
例えば、災害による住宅ローンの一時返済猶予や、低金利の借り換えローンが提供されることもあるため、被災後はすぐに金融機関や自治体に相談することが重要です。
また、住宅ローン契約時に「団体信用生命保険(団信)」とは別に「自然災害保証付きの住宅ローン」を選択している場合、一定の条件を満たせば残債の減免や補償を受けることができます。事前に加入内容を確認し、地震のリスクに備えておくことが重要です。
地震保険に入らないとどうなる?
地震保険に加入していない場合、地震による倒壊や火災での損害は基本的に自己負担となります。
一般的な火災保険では、地震が原因で発生した損害(建物の倒壊や地震による火災)は補償されないため、全額を自費で修復する必要があります。
地震による住宅被害の修復には数百万円から数千万円の費用がかかることが多く、家を建て替える場合にはさらに高額な資金が必要になります。
貯蓄だけで対応できない場合、自治体の支援金や災害復興ローンを利用することもできますが、地震保険に加入していれば、最大で建物の時価の50%まで(保険契約により異なる)補償を受けることが可能です。
新築でも地震の倒壊リスクはゼロではない
この記事では、新築住宅でも地震で倒壊するのかについて解説しました。
新築住宅でも、地震で倒壊するおそれがあります。新築住宅は現行の耐震基準を満たしており、地震に強いといえますが、大規模地震による倒壊のリスクはゼロとは言いきれません。
地震で新築の倒壊リスクを軽減する方法として、土地探しの段階で地盤の強さを確認することや、耐震・免震技術を採用することなどがあります。
地震に強い住宅を購入したいと考えている方は、ぜひTATTA!の「セーフティ ストロング工法」をご検討ください。万が一の大地震にも安心して暮らせる住まいを提供します。