地震で被災したら住宅ローンはどうなる?救済措置やガイドラインを紹介

地震で被災したら住宅ローンはどうなる?救済措置やガイドラインを紹介

この記事では、地震で被災してしまった場合に、住宅ローンはどうなるかについて解説します。

住宅ローン残債がある状態で、大規模な地震で被災してしまうケースも少なくありません。中には、通常の暮らしが困難になり、支払い自体ができなくなることもあるでしょう。

この記事では、地震で被災したら住宅ローンはどうなるか、救済措置やガイドラインについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

● 【公的制度】地震で被災したときの住宅ローン救済措置

● 【任意加入】地震で被災したときの住宅ローン救済措置

● 大規模な地震で住宅ローンが返済できなくなったら

地震で被災したら住宅ローンはどうなるのか

地震で住宅が被災した場合、住宅ローンの支払い義務は原則として免除されません。

地震保険に加入している場合でも、保険金の支払いは損害の一部に留まり、全額補填にはならないため、ローン残高の支払いが続く場合があります。

災害時には、金融機関が返済猶予や条件変更を提案する場合もありますが、これは一時的な措置であり、根本的な負担軽減には至らないケースは少なくありません。

したがって、事前の備えとして地震保険や貯蓄、ローン返済計画の見直しが重要です。

【公的制度】地震で被災したときの住宅ローン救済措置

ここからは、地震で被災してしまったときの住宅ローン救済措置について解説します。

  • 災害復興住宅融資
  • 災害援護資金貸付金制度
  • 被災者生活再建支援法

順番に見ていきましょう。

災害復興住宅融資

住宅金融支援機構が提供する災害復興住宅融資は、地震などの災害で住宅が全壊・半壊した人を対象に、住宅の再建や購入のための資金を低金利で融資する制度です。

条件に対する融資限度額は、主に以下2種類となります。

条件

融資限度額

建物の建設や購入の場合

5,500万円

補修の場合

2,500万円

※参考:災害復興住宅融資(賃貸住宅)の融資限度額引き上げ等のお知らせ|住宅金融支援機構

災害援護資金貸付金制度

災害援護資金貸付制度は市区町村が主体となり、災害で住宅や家財に被害を受けた世帯に対して生活再建資金を貸し付ける制度です。

貸付限度額は、世帯の被害状況に応じて異なりますが、一般的には最大350万円程度とされています。返済期間は10年以内で、据置期間は3年以内となっています。

被災者生活再建支援法

被災者生活再建支援法に基づく支援制度では、住宅が全壊・半壊、またはこれに準ずる被害を受けた世帯に対して生活再建のための支援金が支給されます。

支給額は、住宅の被害程度や再建方法に応じて異なりますが、最大で300万円(基礎支援金100万円+加算支援金200万円)です。この支援金は返済不要であり、生活再建の一助となります。

※:令和6年能登半島地震に係る被災者生活再建支援法を新潟県30市町村に適用します|新潟県防災局

【任意加入】地震で被災したときの住宅ローン救済措置

ここからは、地震で被災したときの住宅ローン救済措置について解説します。

  • 地震保険
  • 火災保険
  • 住宅ローン特約
  • 自然災害保障特約(居住不能信用費用保険)

順番に見ていきましょう。

地震保険

地震保険は、地震や津波などによって建物や家財が損害を受けた場合に、補償を受けられる任意加入の保険です。

火災保険ではカバーされない地震関連の損害を補填するもので、損害割合に応じて保険金が支払われます。

ただし、補償額には以下のような上限があります。

対象

融資限度額

建物

30〜50%(最大5,000万円まで)

家財

30〜50%(最大1,000万円まで)

このように、全額補填には至らないケースが多く、補償内容の確認が重要です。

火災保険

火災保険は、火災や台風、水害などによる被害を補償する保険ですが、地震による火災や倒壊などの被害は通常対象外です。

ただし、地震保険を付帯することで地震由来の被害も補償されるようになります。また、一部の火災保険商品では火災による二次被害を補填する特約が提供される場合があります。

地震後に発生した火災の被害について、一定の補償が得られます。

住宅ローン特約

住宅ローン特約は、地震で住宅が損壊した場合に住宅ローンの返済を支援する任意の保険です。

多くの場合、ローン契約時に加入が推奨され、地震被害による住居の修繕費や建て替え費用を補填します。補償内容は契約条件によって異なり、ローン残高を全額カバーする場合もあれば、一定額のみ補償される場合もあります。

この特約を付けることで、大規模な地震後の経済的負担を軽減できます。

自然災害保障特約(居住不能信用費用保険)

自然災害保障特約、または居住不能信用費用保険は地震や津波によって住居が居住不能となった場合に、住宅ローンの支払いを一定期間肩代わりしてくれる保険です。

これにより、被災後の生活費用の確保や、他の支出に充てる資金の余裕が生み出されます。この特約は、居住不能となった日から数ヶ月間のローン返済額を補填するケースが一般的で、再建までの負担が軽減できます。

大規模な地震で住宅ローンが返済できなくなったら

大規模な地震で住宅ローンが返済できなくなった場合、一定の救済措置として『自然災害債務整理ガイドライン』が役立ちます。

  • 自然災害債務整理ガイドラインとは
  • 自然災害債務整理ガイドラインを利用するメリット
  • 自然災害債務整理ガイドラインの対象者
  • 自然災害債務整理ガイドラインの適用要件
  • 自然災害債務整理ガイドラインを利用する流れ

ここからは、上記5点について順番に見ていきましょう。

※参考:「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」のご案内|財務局

自然災害債務整理ガイドラインとは

自然災害債務整理ガイドラインは、借金の整理や軽減を公的にサポートする制度です。

災害により、被災した個人や中小企業が裁判外で金融機関と話し合い、住宅ローンやその他の債務を整理する仕組みを提供します。

通常の債務整理手続きとは異なり、自己破産を回避しながら再建を目指すことが特徴です。

自然災害債務整理ガイドラインを利用するメリット

自然災害債務整理ガイドラインの大きな利点は、自己破産の手続きを行わずに債務整理が可能になる点です。

信用情報に事故情報として登録されることがなく、今後の生活や経済活動への影響を最小限に抑えられます。

また、弁護士や専門家のサポートを無料で受けられるため、手続きにかかる費用負担も軽減されます。これにより、被災者は生活再建に専念できます。

自然災害債務整理ガイドラインの対象者

自然災害債務整理ガイドラインは、地震や台風などの自然災害によって住宅や家財に被害を受け、住宅ローンなどの債務返済が困難になった個人や中小企業が対象となります。

特に、災害救助法の適用地域に住む人が主な対象です。また、一定の収入や資産がある場合でも、返済の見通しが立たない場合には利用が検討されます。

自然災害債務整理ガイドラインの適用要件

自然災害債務整理ガイドラインの適用を受けるには、災害による被害状況や債務の状況について以下のような条件を満たす必要があります。

  • 住宅が全壊・半壊、またはそれに準ずる損害を受けていること
  • 住宅ローンの返済が現実的に困難であること
  • 債務者自身が協力的であること

また、申請前に専門家による審査が行われることも、押さえておきましょう。

自然災害債務整理ガイドラインを利用する流れ

自然災害債務整理ガイドラインの利用手順は、主に以下のとおりです。

  1. ガイドラインに詳しい弁護士や司法書士に相談する
  2. 被災状況と債務の状況を確認する
  3. 債務整理案を作成する
  4. 合意内容に基づいて新たな返済計画が始まる

弁護士や司法書士には、被災状況や債務の状況を確認します。金融機関との話し合いを通じて債務整理案を作成したら、和解が成立するでしょう。

この過程では、弁護士費用や手続き費用が無料となる場合が多いといえます。

地震と住宅ローンの返済に関するよくある質問

最後に、地震と住宅ローンの返済に関するよくある質問を紹介します。

  • どうしても住宅ローンが払えない場合は一時的に止められる?
  • 地震によって住宅ローンが払えない場合の最終手段は?

疑問の解消にお役立てください。

どうしても住宅ローンが払えない場合は一時的に止められる?

地震などの災害によって住宅ローンの返済が困難になった場合、金融機関に相談することで返済の一時停止や条件変更が可能なケースがあります。

これを「返済猶予措置」といい、元金の返済を一定期間停止し、利息のみの支払いに変更する方法が一般的です。また、返済期間を延長して月々の支払額を軽減する方法もあります。

地震によって住宅ローンが払えない場合の最終手段は?

住宅ローンの返済が困難な場合には、先述した自然災害債務整理ガイドラインを利用する選択肢があります。制度を活用すれば、自己破産を回避しつつ債務整理を進めることが可能です。

特に、被災状況が深刻で住宅の再建が難しい場合には、このガイドラインを通じて債務を軽減または免除する手続きが検討されます。

さらに、ローン返済が不可能な場合には、住宅を売却してローン残高を減らす方法もあります。

住宅ローン返済中に地震に遭ったら金融機関に相談を

この記事では、地震で被災してしまった場合の住宅ローンについて解説しました。

地震で住宅が被災した場合、住宅ローンの支払い義務は原則として免除されません。

地震保険に加入している場合でも、保険金の支払いは損害の一部に留まり、全額補填にはならないため、ローン残高の支払いが続くおそれがあります。

TATTA!では、地震に強い家を実現できる「セーフティ ストロング工法」を採用しています。

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※総保証限度額 日本全国で発生した全保証物件の損壊に対する総保証額10億円まで

※総保証限度額を超える場合は、次の算式によって算出した額を保証限度額とする

保証限度額=建物価格(税込)×10億円/全保証物件の損壊に対する保証額

※地震の後に総保証限度額を超え、再度地震により損壊が発生した場合には保証対象外

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