住宅ローンを多めに借りることは可能?メリットや注意点も徹底解説
この記事では、住宅ローンは多めに借りられるのかについて解説します。
住宅ローンはあくまで”住居購入資金”のために受けられる融資であり、それ以外の用途には使用できません。しかし、実際には住宅の購入費用以上の借り入れを検討している人は多く、メリットとデメリットをしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、住宅ローンを多めに借りることの注意点も合わせてお伝えするので、検討している人はぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】
● 住宅の諸費用も含めて住宅ローンを多めに借りることはできるのか
● 物件価格に諸費用まで含めた借り入れのメリット・デメリット
● 住宅ローンを多めに借りる際の注意点
物件価格に諸費用も含めて住宅ローンを多めに借りることはできるのか
自己資金を使わずに物件価格分をすべてローンで用意する方法のことを「フルローン」と呼びます。フルローンでは、住宅購入時にかかる各種費用(諸費用)は自身で用意する必要があります。
では、登記費用やローン手数料などの諸費用も必ず自身で用意しなければならないのかというと、そうではありません。
【結論】住宅に関わる諸費用分なら住宅ローンを多めに借りることは可能
結論、物件価格に加えて諸費用まで含めた借り入れをすることは可能です。ただし、すべてのケースで融資を受けられるとは限りません。
ここでは、多めに借りられるケースとそうでないケースを紹介します。
物件価格よりも多めに借りられるケース
家を購入する際には住宅の本体価格以外にもかかる諸費用があります。諸費用については原則ローンでの借入が可能であり、一般的に次の項目が該当します。
- 手付金
- 金融機関への事務手数料
- 融資代行手数料
- 保証会社への保証料
- 仲介手数料
- 登記費用
- 売主が支払った税金などの清算金(固定資産税、都市計画税、管理修繕費、駐車場代など)
上記の費用はどの不動産を購入した場合でも発生する可能性が高く、用意できないとスムーズな売買ができないため、追加費用として認められます。
また、上記以外にもリフォームローンや太陽光設置費用、注文住宅における付帯工事や建築申請費用などもローンへの組み込みが可能です。
物件価格よりも多めに借りられないケース
多めに借りられない場合、ローンに組み込めない項目として以下が挙げられます。
- 家電や家具の購入費用
- 車の購入費用
- 引っ越し費用
- 投資や他の借金返済など住宅購入に無関係な資金への充当
これらの費用は住宅の購入とは別の用途とみなされ、低金利の住宅ローンではなく金利が高いカーローンやフリーローンを利用する必要があります。
住宅ローンを物件価格よりも多めに借りるメリット
ここでは、住宅ローンを物件価格に加えて諸費用まで含めて借り入れをするメリットを解説します。
- 低金利での借入ができる
- 頭金が無くても借入できる
- 自己資金を手元に残せる
- 住宅ローン控除の恩恵が大きくなる
順番に見ていきましょう。
低金利での借入ができる
住宅ローンが他のローンと異なるポイントの1つに”低金利”があり、金利がカーローンやフリーローンの1/10程度であることがメリットとして挙げられます。諸費用の分を多めに借りたとしても、余裕を持った返済計画で進められるでしょう。
不動産会社や施工会社から提示される資金計画は諸費用を含んでいるケースが多いため、不動産購入を検討する際には物件価格に諸費用も含めた借り入れが一般的だといえます。
頭金が無くても借入できる
不動産を購入する際は自己資金から頭金を事前に支払い、足りない分を住宅ローンで補うケースがほとんどです。しかし頭金を一切出さなくてもフルローンにして資金を用意できます。
この場合は物件価格よりも多く借りることになるケースが一般的であり、住宅用途で金融機関が判断した資金であれば住宅ローンに組み込めます。
自己資金を手元に残せる
マイナス金利解除や物価上昇など、経済的に先行きが不透明で不安を感じる人は少なくありません。自己資金が手元にあれば安心材料となり、ストレスを抱えずに新生活を送れます。
物件価格よりも多い借り入れを選択すれば、今持っている自己資金に手を出さずに融資を受けられます。経済的な安心感を覚えて選択する人もおり、これから住宅を購入する人は検討することがおすすめです。
住宅ローン控除の恩恵が大きくなる
住宅ローン控除とは、年末時点のローン残高の0.7%を所得税から控除する制度です。毎年ローンの残高が控除額の基準となるため、ローン借入額が多いほど控除額も多くなります。
注文住宅などの高額な不動産を検討する際におすすめの方法です。
住宅ローンを物件価格よりも多めに借りるデメリット
物件価格よりも多く借りることには、先述したようなメリットがある一方でデメリットも存在します。
- 返済総額・毎月の返済負担が大きくなる
- 金利が高くなるリスクがある
- ローン支払のトラブルが起こりやすい
上記3点を順番に見ていきましょう。
返済総額・毎月の返済負担が大きくなる
物件価格のみを借入する場合より返済総額が多くなるため、月々の返済額も増えてしまいます。
また、メリットの1つである住宅ローン控除は、最大13年間で終了するため、総合的に見ると支払総額が大きくなるケースが考えられます。
この場合、資金計画の内容を精査することが大切です。
金利が高くなるリスクがある
住宅ローンは他のローンより金利が低いことがメリットの1つですが、住宅ローンの実効金利が物件価格のみに適用されるケースがあります。
例えば、住宅金融支援機構が提供しているフラット35などは、諸費用に対する金利が住宅ローン金利より高くなります。
全体の金利が高くなり返済計画のイメージと合わないおそれがあるため、しっかり検討することが大切です。
ローン支払のトラブルが起こりやすい
諸費用のなかには、決済時ではなく後から支払う項目があります。
リフォームや太陽光発電などの支払は引き渡し後に実施するため、万が一支払うべき費用を使ってしまった場合、支払ができずトラブルになるおそれがあるでしょう。
支払が決済時に実施されない場合、しっかりとした自己管理が必要です。
住宅ローンを物件価格よりも多めに借りる際の注意点
ここでは、住宅ローンを多めに借りるときに押さえておくべき注意点を見ていきましょう。
- 余裕のある返済計画を立てる
- 契約違反になる使い道に資金を使わない
- 含められる諸費用の条件が定められている
上記3点を順番に解説します。
余裕のある返済計画を立てる
物件価格よりも多めの借り入れを選択すると月々の返済額が大きくなるため、場合によっては生活が困窮するおそれが考えられます。
ファイナンシャルプランナーなどにライフプランを作成してもらい、リスクを事前に把握しておくことが大切です。また、急病や事故など予期せぬ事態が発生しても対応できるよう、余裕がある計画を立てましょう。
契約違反になる使い道に資金を使わない
金融機関が融資を審査する際には、資金の用途を明確に提示する必要があります。提示した用途以外に使用すると契約違反となり、住宅ローンの一括返済を求められるケースがあります。
融資された資金は、必ず事前に提示した内容通りに使用しましょう。金融機関に対して使用した内容が明記された領収書を提出する必要があるため、誤魔化すことはほぼ不可能です。
含められる諸費用の条件が定められている
住宅ローンを多めに借りる際には、”住宅購入の用途”であることが原則です。そのため、車や生活資金など住宅に関連の無い用途に対しては使用できません。
金利の高いカーローンやフリーローンで対応する必要がある点を把握しておきましょう。
住宅ローンを借りることに関するよくある質問
ここでは、住宅ローンに関するよくある質問に回答します。
- 審査時より費用が必要になり資金が不足したときの対処法は?
- 住宅ローンを多めに借りて手元に残すのはあり?
上記2つの質問をそれぞれ見ていきましょう。
審査時より費用が必要になり資金が不足したときの対処法は?
審査を受けた時点よりも必要資金が増えて不足してしまった際は、まず金融機関に相談する必要がありますが、ほとんどの場合審査をやり直すことになるでしょう。
総借入額と年収の割合を示す”年収倍率”が低くリスクが少ないと判断される場合には、口頭で承諾を得ることも可能です。
その場合、物件価格よりも多めの金額で契約を締結することで融資を受けられます。
住宅ローンを多めに借りて手元に残すのはあり?
住宅ローンは必ず使用用途を明確にする必要があるため、使わずに手元に残すことは契約違反です。住宅購入への使用を目的として住宅ローンは低金利となっているため、手元に残す場合は金利が高いフリーローンを利用すべきといえます。
ただし、地方銀行のなかには、決済後に余った数十万円程度ならそのまま手元に置いておくことを承諾するケースがあるようです。
住宅ローンを多めに借りるかは必要に応じて検討しよう
この記事では、住宅ローンを多めに借りることについて解説しました。
住宅ローンを物件価格よりも多く借りることは、メリットだけでなくデメリットも存在します。いくつかの注意点を踏まえて借入する必要があるため、慎重に判断しましょう。
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