子供部屋の広さは何畳が適切?広さ別のメリットや間取り決めのポイントも

子供部屋の広さは何畳が適切?広さ別のメリットや間取り決めのポイントも

この記事では、子供部屋の適切な広さを解説します。

国土交通省の調査によると、子育て世代が賃貸から持ち家に住み替える目的の最上位は、”〜29歳”・”30〜39歳”・”40〜49歳”のすべてで「子育て・教育の環境を整える」ことです。

子育てや子供の教育を考える場合、”子供部屋をどのように作るか”は重要な検討事項の1つといえます。

そこで本記事では、子供部屋の広さ別のメリット・デメリットに加え、理想の子供部屋を実現するために押さえておきたい間取りのポイントを解説します。

子育て世代でマイホームの購入を検討中の人は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

【この記事でわかること】

● 子供部屋の平均的な広さ

● 広さ別に見た子供部屋のメリット・デメリット

● 理想的な子供部屋を実現させるための間取り

※参考:我が国の居住者をめぐる状況について(補足資料)|国土交通省

子供部屋の平均的な広さは6畳が適切

国土交通省のデータを参考にして検証すると、現在の平均的な子供部屋の広さは6畳程度だとわかります。

※出典:人の住まい方|国土交通省

上のグラフから、子供あり世帯では60〜80㎡、子供なし世帯では40〜80㎡の住宅がそれぞれ最も多く、その差は20㎡程度だとわかります。

20㎡(=12畳程度)を子供の生活スペースに充てる場合、6畳程度の部屋を2部屋計画するケースが多いでしょう。

各部屋に収納スペースを設ける場合は、4.5〜6畳程度で計画することがおすすめです。

【広さ別】子供部屋のメリット・デメリット

ここでは、子供部屋の広さ別のメリット・デメリットを解説します。

  • 5畳以下の狭い子供部屋
  • 6畳程度の平均的な広さの子供部屋
  • 8畳以上の広い子供部屋

上記3つの広さごとに見ていきましょう。

4.5畳以下の狭い子供部屋

4.5畳以下の狭い子供部屋では、下記のメリット・デメリットが挙げられます。

<メリット>

● 建築コストや電気代などのランニングコストを抑えられる

● 部屋に物が散乱せず片付けやすい

● 子供の引きこもりを減少させ、家族のコミュニケーションが増える

<デメリット>

● 机・ベッド・収納棚を置くと有効スペースがほとんどない

● 部活動などにより必需品となる運動具や楽器などを置く場所がない

● 成長するにつれて増える衣類関係を収納仕切れない

4.5畳の子供部屋では、コストを抑えやすい点や部屋を片付けやすい点などのメリットがある一方で、家具を置くと有効スペースが少ない点や成長に伴い増加する必需品を収納しにくい点がデメリットです。

子供部屋の外に収納棚を設けるなどの予定がない限りは、生活に支障が出やすい広さといえます。

6畳程度の平均的な広さの子供部屋

先述の通り、6畳は子供部屋において平均的な広さといえます。

6畳の子供部屋のメリット・デメリットは以下の通りです。

<メリット>

● シングルベッド・机・収納棚を置いても、まだ有効スペースが残る

● 家具やベッドをレイアウトしやすい

● 友だちが来ても、子供部屋で遊びやすい

<デメリット>

● 建築コスト・ランニングコストが4.5畳よりも割高

● 兄弟で使用するにはスペースが足りない

● 子供が家を出たあとに使用する納戸としてはもったいないスペース

平均的な6畳の子供部屋は、家具などを置いても有効スペースが残るため、レイアウトがしやすいというメリットがあります。一方で、コストは4.5畳の部屋より高く、兄弟で使うと狭く感じるなどがデメリットです。

6畳の子供部屋を導入する際は、今後の家族構成やライフプランを検討し、部屋をいくつ作るかなどを考えておきましょう。

8畳以上の広い子供部屋

比較的広いといえる8畳以上の子供部屋には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

<メリット>

● ある程度の家具を置いても十分な有効スペースを確保できる

● 幼少期は兄弟で利用することも可能

● 子供が成長したら、間仕切り壁で2部屋にすることも可能

<デメリット>

● 建築コスト・ランニングコストが最も割高になる

● 必要以上に物が増えて片付けられない

● TVなどもおけるスペースができるため引きこもりがちになる

上記のとおり、8畳以上の子供部屋にはコストが大きくなりやすいなどのデメリットがありますが、一方で十分な広さがあるため、兄弟での利用が可能であるなどのメリットもあります。

子供が成長したら壁で2部屋にするなどの対応ができるため、お子さんが2人以上いる人や今度2人以上できる予定の人におすすめの広さです。

理想の子供部屋を実現させる間取り決めのポイント

ここでは、理想的な子供部屋の間取りを計画する際のポイントを、以下5点から解説します。

  • 目的を明確にしてスペースを確保する
  • 家全体のバランスを考慮する
  • 子供の年齢とライフスタイルを考慮する
  • 暮らしやすい環境作りを工夫する
  • 子供が独立したあとの活用法も検討する

順に見ていきましょう。

目的を明確にしてスペースを確保する

限られたスペースを有効的に活用するには、子供部屋を作る目的を明確にすることが大切です。

子供部屋を作る主な理由として、下記3点などがあります。

  • 子供の持ち物・学習道具や生活用品を1箇所にまとめる
  • 子供のプライバシーを尊重し、自立心を向上させる
  • 子供時間をシェアすることで、親の時間も確保し生活にゆとりを持たせる

自分たち家族や子供の成長のために、子供部屋をどのように利用するかを考えて、目的を明確にしましょう。

家全体のバランスを考慮する

土地・建物ともにスペースが限られているため、間取りを考える際は使用頻度や必要性を考慮し、優先順位をつけて検討しましょう。

浴室や洗面所、トイレなどは生活するうえで必要であり、家族がくつろぐリビングダイニングも、食事やコミュニケーションを充実させるために欠かせない場所です。

こうした点を踏まえて、残ったスペースで使いやすい子供部屋のレイアウトを検討することをおすすめします。

子供の年齢とライフスタイルを考慮する

子供部屋が必要な期間は小学校高学年から高校、もしくは大学卒業までの10〜15年程度です。

子供の生活スタイルを年齢別にまとめてみましょう。

日常生活

就寝場所

勉強スペース

小学就学前

0〜5歳

● 親と一緒にリビングで過ごす

● ベビーベッド

● 親と一緒に就寝

● リビングで親とのふれあい教育

小学低学年

6〜10歳

● 親と一緒にリビングで過ごす

● 親や兄弟と一緒に就寝

● リビング・ダイニング

小学高学年〜中学生

11〜15歳

● リビング

● 自分の部屋

● 自分の部屋(一部親や兄弟と一緒)

● 自分の部屋(一部リビング)

高校生〜大学生

16〜22歳

● 自分の部屋

● 自分の部屋

● 自分の部屋
外部(図書館など)

上記の表からもわかる通り、子供部屋の使用頻度や重要度は子供の成長過程において大きく変化します。

使用頻度が低い際の部屋の利用方法や子供に部屋を使用させるタイミングをしっかり吟味して、ライフプランを検討しましょう。

暮らしやすい環境作りを工夫する

子供部屋を計画する際は、子供だけでなく家族全員がコミュニケーションを取りやすく暮らしやすいプランの検討が必要です。

暮らしやすい環境作りのポイントには、以下4点があります。

  • リビングにも学習参考書や筆記用具を収納できる収納棚コーナーを設ける
  • キッチンからリビング・ダイニングが見渡せるように対面キッチンを検討する
  • 子供部屋とリビングの動線がつながるようにプランニングする
  • 子供の成長に応じて、子供部屋を人数分シェアできるように収納場所やコンセントのレイアウトを検討しておく

幼少期にリビングで学習しやすい環境や、中学生・高校生になってもコミュニケーションをとれる環境を作ることを意識してください。

子供が独立したあとの活用法も検討する

子供が独立して夫婦2人になった場合も考慮して、プランニングすることが重要です。

子供たちが家を出たあとの子供部屋利用方法として、以下3点があります。

  • 夫婦それぞれのプライベートスペースとして利用する
  • 書斎やテレワークなどにも利用可能なプライベートオフィスとして利用する
  • 大空間の収納スペースとして利用する

最近では、立地条件が良く土地の広さに余裕があれば、マイホーム購入時から子供たちが独立した後にそのスペースを賃貸することを見越して、マイホームを計画する人もいます。

計画当初から2階に直通できる外部階段を設けておき、2階にもキッチン・トイレ・浴室を設けることで、将来は1階部分を賃貸として利用できます。しかし、住宅ローン返済中に居住部分の一部を賃貸にした場合、ローン商品の切替えや最悪の場合一括返済を求められる場合があるため、注意してください。

子供部屋に関するよくある質問

最後に、子供部屋に関するよくある質問を紹介します。

  • 子供部屋がいらなかったと後悔してしまう理由は?
  • 子供部屋の広さは最低何畳必要?
  • 子供部屋のクローゼットの広さはどれくらいがいい?

それぞれ見ていきましょう。

子供部屋がいらなかったと後悔してしまう理由は?

子供部屋がいらなかったと後悔する理由について、以下の3つが挙げられます。

  • 幼少期に子供部屋を利用することがほとんどないから
  • 子供が独立後の利用方法を決めておかず、空き部屋のまま非効率になるから
  • 収納を計画せずに、子供の成長につれて物があふれてしまうから

子供の自律心を促すために子供部屋は重要ですが、将来的な転用やお子さんが増えた場合を考えてプランニングしましょう。

子供部屋の広さは最低何畳必要?

シングルベッドや机、収納棚などを考えて、最低4.5畳は確保しましょう。

収納も加えると、5.0〜5.5畳のスペースが必要です。

ベッドがなければ3畳の子供部屋でも生活できますが、寝具などの収納スペースとして、最低でも0.5畳程度は確保しなければなりません。

子供部屋のクローゼットの広さはどれくらいがいい?

子供部屋のクローゼットは、できれば1畳、最低でも0.5畳を確保しましょう。

成長につれて、衣服や学習道具だけでなく、クラブ活動の道具用スペースも必要になることを把握しておきましょう。

子供部屋の広さはライフスタイルに合わせて考えよう

本記事で解説したように、子供部屋の広さは子供の成長やライフスタイルに合わせて検討することが大切です。

事前に子供部屋を将来どう使うかなどを検討していないまま建築すると、「2部屋に分けたいのにクローゼットやコンセントがない」などの問題が発生します。

自分たちだけでは判断が難しい場合、1級建築士や建築業者に相談してみましょう。

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