注文住宅の費用の支払いタイミングは?流れに沿ったスケジュールを紹介

注文住宅の費用の支払いタイミングは?流れに沿ったスケジュールを紹介

この記事では、注文住宅の費用の支払いタイミングについて、3つに分けて解説します。

注文住宅を建てる際には、土地の購入から建物の完成、引き渡し後まで、さまざまな費用が発生します。それぞれの段階において適切なタイミングで費用を支払う必要があるため、資金計画をしっかりと立てることが家づくりの成功に欠かせません。

この記事では、注文住宅の費用の支払いについて、流れに沿ったスケジュールも解説します。いつ、どのような費用を支払う必要があるのか知りたい人は、ぜひ最後までお読みください。

【この記事でわかること】

● 注文住宅の費用の支払いタイミング1.土地購入時

● 注文住宅の費用の支払いタイミング2.建物の建築時

● 注文住宅の費用の支払いタイミング3.引き渡し後

注文住宅の費用の支払いタイミング1.土地購入時

注文住宅に必要な土地を購入した際に支払う費用と、タイミングを解説します。なお、ここでは土地の契約から決済までにかかる費用に焦点を当てます。

  • 土地代金
  • 手付金
  • 仲介手数料
  • 印紙代(印紙税)
  • 所有権移転登記費用
  • 司法書士費用

順番に見ていきましょう。

土地代金

土地代金は、購入時にかかる最も高額な費用です。

一般的には、土地の契約時に全額を支払うことはありません。まず、契約時に土地代金の一部を「手付金」として支払い、残りの金額は決済時に支払います。

例えば、1,000万円の土地を購入する場合、契約時に100万円の手付金を支払い、残りの900万円を決済時に支払う流れです。

決済時には、購入者と売主の間で正式に所有権が移転し、残りの代金を支払うことになります。

手付金

手付金は、土地購入契約を締結する際に支払うお金です。

手付金は、契約の証として支払われるもので、契約を解除した場合には返還されることがある一方、解除が一方的である場合には返還されないこともあります。

手付金の金額は、土地代金の5%から10%程度が一般的です。

仲介手数料

土地の購入は、不動産会社を仲介して行うことが一般的です。このとき仲介手数料が発生します。仲介手数料の支払いタイミングは、契約時と決済時の2回に分かれることが多くあります。

支払う必要がある仲介手数料には上限があり、速算式は以下のとおりです。

売買価格(税抜)

仲介手数料の上限

200万円以下

売買価格の5%+消費税

200万円超400万円以下

売買価格の4%+2万円+消費税

400万円超

売買価格の3%+6万円+消費税

※2024年8月現在

例えば、1,000万円の土地を購入する場合、仲介手数料として最大で39.6万円(税込)を支払います。そのうち、契約時に半額の約20万円を支払い、残りの約20万円を決済時に支払うことが一般的です。

印紙代(印紙税)

土地の売買契約書には、印紙税法に基づき印紙を貼付する必要があります。印紙代は、契約書に記載された金額に応じて以下のように異なります。

売買価格(税抜)

本則税率

軽減税率

100万円超500万円以下

2,000円

1,000円

500万円超1,000万円以下

1万円

5,000円

1,000万円超5,000万円以下

2万円

1万円

5,000万円超1億円以下

6万円

3万円

※2024年8月現在

※参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

不動産の売買契約に必要な印紙税は、軽減措置が適用されます。例えば、1,000万円の土地を購入する際には、契約時に5,000円の印紙代を支払います。

印紙を貼るタイミングは契約書を作成した時点です。

所有権移転登記費用

土地を購入すると、その所有権を自分のものにするために登記を行います。これを「所有権移転登記」といい、その際に登記費用が発生します。

登記費用は評価額に基づき計算され、通常は土地の決済時に支払います。移転の理由によって税率は異なります。土地の所有権移転登記にかかる税率は以下のとおりです。

理由

本則税率

軽減税率

売買

2.0%

1.5%

相続

0.4%

贈与

2.0%

※2024年8月現在

※参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

令和8年3月31日まで、売買による所有権移転登記に対して軽減税率が適用され、税率は1.5%になります。

例えば、評価額1,000万円の土地を購入する場合、所有権移転登記費用は約15万円かかります。

司法書士費用

所有権移転登記を行う際には、専門知識が必要となるので、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士の費用は、土地の決済時に支払います。

司法書士は、登記手続き全般を代行してくれます。相場は不動産1件あたり数万円〜5万円ですが、具体的な費用はサービス内容によって異なります。

注文住宅の費用の支払いタイミング2.建物の建築時

建物の建築時に支払う注文住宅の費用について解説します。なお、ここでは契約から完成までにかかる費用を見ます。

  • 契約金
  • 着工時金
  • 完成時金
  • 印紙代(印紙税)
  • 建築確認申請費用
  • 地盤調査費用
  • 住宅性能評価書の取得費用
  • 地鎮祭の費用
  • 登記費用
  • 保険料
  • ローン費用

順番に見ていきましょう。

契約金

建物の建築を依頼する際、最初に支払うのが「契約金」です。契約金は、工事を進めるための初期費用として支払われます。契約金の金額は、全体の建築費用の10%程度が一般的です。

例えば、2,000万円の建物を建てる場合、契約時に200万円程度の契約金を支払います。

着工時金

建築工事が実際に始まる際に支払う費用が「着工時金」です。着工時金は、建築請負契約が成立し契約金を支払った後に、建築代金の一部として支払います。

着工時金は建築費用の20〜30%程度であることが一般的です。例えば、建築費用が2,000万円の場合、着工時に400〜600万円程度の支払いが必要となります。

完成時金

建物が完成した際に支払う費用が「完成時金」です。完成時金は建物がすべて完成し、引き渡しが行われるタイミングで支払います。

完成時金は建築費用の残りの部分全てを指します。工事中に追加契約があった場合などは、その代金も同時に支払うことが必要です。

例えば、建築費用が2,000万円の場合、契約金や着工時金を差し引いた残りの金額、つまり1,200万〜1,400万円程度を完成時に支払います。

印紙代(印紙税)

建物の契約時にも印紙代が必要です。土地購入時と同様に、建築会社と工事請負契約書にも印紙を貼付する必要があります。

印紙代は契約金額に応じて決まり、契約書の作成時に支払います。

例え

ば、建築費用が2,000万円の場合、1万円の印紙代が必要です。

工事請負契約の締結後に追加工事などを行い、追加の契約を結ぶ場合は再度印紙を用意する必要があります。

建築確認申請費用

建物を建築する際、建物が建築基準法や各自治体の条例などに適合しているかを確認するために建築確認申請が必要です。その際に費用が発生します。

建築確認申請費用は、建物の設計が確定し、建築を開始する前に支払います。費用は建物の規模や場所によって異なりますが、10万〜30万円程度が相場です。

地盤調査費用

建物を安全に建てるためには、地盤の状態を調査する必要があります。その際にかかる費用が地盤調査費用です。

地盤調査費用は建築計画が進んだ段階で行い、調査結果に基づいて基礎工事を行います。土地の状態や調査方法によって異なりますが、一般的には5万〜30万円程度です。

地盤が弱い土地で建築を予定している場合、追加の調査や補強が必要となり、その分費用がかかることがあります。

住宅性能評価書の取得費用

住宅性能評価書は、建物の性能を第三者機関が評価し、証明するための書類です。

住宅性能評価書では、住宅の耐震性や断熱性、採光性などの最大10分野が、品確法に基づいて客観的に評価されます。設計段階で図面を確認する「設計性能評価」と、住宅完成後に確認する「建設性能評価」の2種類があります。

取得費用はそれぞれに対してかかります。費用の相場は10万〜20万円程度です。

地鎮祭の費用

地鎮祭は、建物を建てる土地の神様に工事の無事と安全を祈るための儀式です。地鎮祭は建物の基礎工事が始まる前に実施し、同じタイミングで支払いも行います。

地鎮祭の費用には、神主への謝礼や祭壇の設置費用、供物代などが含まれます。費用の相場は2万〜5万円程度です。

登記費用

建物が完成した際、所有権を正式に自分のものにするために登記が必要です。登記費用は、所有権を法的に証明するための建物表題登記や所有権保存登記などを行う際にかかります。

登記費用は評価額に基づいて計算されます。建物の登記にかかる税率は以下のとおりです。

登記の種類

本則税率

軽減税率

建物表題登記

非課税

所有権保存登記

0.4%

0.15%

※2024年8月現在

※参考1:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

※参考2:住宅:住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置|国土交通省

令和9年3月31日まで、条件を満たす住宅用家屋の所有権保存登記に対して軽減税率が適用され、税率は0.15%になります。

例えば、評価額2,000万円の建物の場合、登記費用は約3万円かかります。

保険料

建物を建てる際には、火災保険や地震保険などの保険に加入することが一般的です。建物が完成するタイミングで1〜5年分を支払うことが多いといえます。

保険料は、建物の構造や面積、立地、保証内容などによって異なります。

例えば、耐火構造でない建物で地震保険付き火災保険に加入した場合、5年間一括払いで25万〜40万円程度になるでしょう。耐火構造の建物の場合は5年間一括払いで15万〜25万円程度が目安です。

ローン費用

注文住宅を建てる際に住宅ローンを利用する場合、ローンの融資手数料や保証料などが発生します。ローンに関連する費用は、ローンの契約時や建物の完成時に支払うことが一般的です。

具体的な金額は金融機関によって異なります。融資手数料は3〜5万円や借入額の2.2%など、保証料は借入額1,000万円に対して20万円ほどが相場といえます。

注文住宅の費用の支払いタイミング3.引き渡し後

ここでは、注文住宅の引き渡し後に支払う費用について解説します。

  • 引っ越し費用
  • 不動産取得税
  • 住宅ローンの返済
  • 固定資産税・都市計画税(翌年以降)

上記の費用について順番に見ていきましょう。

引っ越し費用

新しい家に移る際、当然ながら引っ越し費用がかかります。費用は荷物の量や距離、季節によって異なり、安ければ数万円、高ければ100万円程度かかる可能性があります。

例えば、同じ市内での引っ越しの場合でも、4人家族の荷物をすべて運ぶとすると、10万円程度の費用がかかることがあるでしょう。引っ越しの距離が長い場合や2〜4月の繁忙期に引っ越す場合は、さらに費用が高くなるケースがあります。

不動産取得税

土地・住宅を取得した場合に不動産取得税が課されます。不動産取得税は、土地や建物の固定資産税評価額に基づいて計算されます。

一定の条件を満たす土地の税額には軽減措置が適用され、以下の式で計算されます。

((土地の固定資産税評価額 × 1/2)× 3%)− 定められた軽減額

一定の条件を満たす住宅の税額にも軽減措置が適用され、以下の式で計算されます。

(建物の固定資産税評価額 − 1,200万円)× 3%

通常は引き渡し後から数ヶ月以内に請求が届き、指定された期日までに支払う必要があります。

※2024年8月現在

※参考:地方税制度|不動産取得税|総務省

住宅ローンの返済

注文住宅を建てる際に住宅ローンを利用した場合、引き渡し後はローンの返済が始まります。引き渡しの1〜2ヶ月後から返済が開始されることが一般的です。

ローンの返済額や返済期間は、契約時に決められた条件に基づきます。変動金利で住宅ローンを組んでいる場合は、日銀の金融政策などによる金利の変動に応じて返済額が変わる場合があります。

固定資産税・都市計画税(翌年以降)

引き渡しの翌年以降、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に対し、固定資産税と都市計画税が課税されます。毎年4〜6月ごろに納税通知書が届いたら支払いを行いましょう。

固定資産税と都市計画税は土地や建物の評価額に基づいて計算されます。特に、都市計画税は主に都市計画区域内の土地に対して課税されます。

固定資産税の税率は原則として1.4%、都市計画税の税率は最大で0.3%です。ただし、固定資産税と都市計画税はそれぞれ特例措置があり、負担が軽減されます。

※2024年8月現在

※参考1:地方税制度|固定資産税|総務省

※参考2:地方税制度|都市計画税|総務省

注文住宅の支払いタイミングに関するよくある質問

ここでは、注文住宅の支払いタイミングに関するよくある質問に回答します。

  • 注文住宅の最終金額はいつわかる?
  • 注文住宅の諸費用が払えないとどうなる?
  • 注文住宅の諸費用をローンに組み込むことはできる?

疑問の解消にお役立てください。

注文住宅の最終金額はいつわかる?

注文住宅の最終金額で正確な金額がわかるのは、建物がほぼ完成した段階です。背景として、建築の進行状況や追加工事の要望によって費用が変動することが多い点が挙げられます。

基本的な設計と見積もりが確定した後でも、施工中に仕様変更や追加工事が発生した場合、その都度費用が追加されます。

最終的には、引き渡し前にすべての費用が確定し、支払うべき最終金額が通知されます。

注文住宅の諸費用が払えないとどうなる?

注文住宅の諸費用が支払えない場合、工事の進行が止まるおそれがあります。支払いが滞ると、契約上のペナルティが発生したり、最悪のケースでは契約が解除されたりするでしょう。

特に、着工時金などの重要な支払いが遅れると、建築会社が工事を中断することがあります。最悪の事態を避けるためには、資金計画をしっかりと立て、必要な資金を確保しておくことが大切です。支払いが困難な場合は、早めに建築会社や金融機関に相談することをおすすめします。

注文住宅の諸費用をローンに組み込むことはできる?

注文住宅の諸費用を住宅ローンに組み込むことは可能です。ただし、すべての諸費用がローンに含まれるわけではなく、金融機関によって対応が異なるため、事前に確認が必要です。

例えば、登記費用や保険料などの諸費用はローンに組み込める場合がありますが、一部の費用は自己資金で賄う必要があることがあります。ローンに組み込める範囲を明確にし、無理のない返済計画を立てることが重要です。

注文住宅の支払いタイミングを押さえて無理のないスケジュールを

注文住宅に必要な費用の支払いタイミングは、土地購入時・建物建築時・引き渡し後の3つに大きく分けられます。

支払う必要がある費用項目の数は非常に多く、金額も大きいため、支払いが遅延しないように事前準備を十分に行いましょう。

特に、支払いが滞ると工事の進行が止まるリスクがあるので、資金計画をしっかりと立てることが重要です。金融機関や建築会社に十分に相談した上で家づくりを進めていきましょう。

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