住宅ローンの頭金はいくらが目安?用意するメリット・デメリットや注意点も解説
用意するメリット・デメリットや注意点も解説
家を建てる際には住宅ローンと頭金で予算を組むことが多いですが、頭金は目安を決めることが重要です。
なぜなら、無理に頭金を多く用意した場合は新築後の資金計画に大きな負担となり、逆に少なすぎる場合は住宅ローンの審査に通りにくいケースがあるからです。
この記事では、頭金の目安や用意するメリット・デメリットについて解説します。
この記事でわかること】
● 頭金の目安と役割
● 頭金を用意するメリットとデメリット
● 頭金を用意する際の注意点
そもそも住宅ローンの頭金とは?
頭金とは、家づくりのために捻出する自己資金のことです。
主に手付金や印紙代など、住宅ローンを利用せずに支払う費用にあてられます。
頭金の支払い方法
頭金は原則現金での支払いとなり、手付金は売主、印紙代は仲介業者へ支払います。ただし、売主の希望によっては振込になる場合があり、手数料は買主負担となります。
そのため、各項目の支払い方法は、不動産会社やハウスメーカーに確認することをおすすめします。
住宅ローンにおける頭金の目安
住宅金融支援機構によると、静岡県で注文住宅を建てる際に用意した頭金の平均は約300万円となります。また、静岡県で注文住宅を建てる際の費用は平均4,200万円であるため、総額の7%前後が頭金の目安となるでしょう。
住宅ローン頭金を用意するメリット
この章では、住宅ローンを組む際に頭金を用意するメリットを解説します。
- 借入額が減少する
- 諸経費に回す資金を用意できる
- 審査に通りやすくなる
借入額が減少する
頭金を用意することで、結果的に借入額が減少します。そのため、住宅ローンの返済計画を比較的自由に設計することが可能です。
たとえば、4,000万円を35年の固定金利1%で借入した場合、月々の支払いは112,914円となります。これに対し、頭金300万円を使い借入を3,700万円にすることで、月々の支払いを104,445円まで下げることが可能です。
また、4,000万円借入時と同じ月々の支払い額でも問題ないのであれば、返済期間は31年と短くなります。(※)
このように、ライフスタイルに合った返済計画を組みやすくできる点が、頭金を用意するメリットといえます。
※31年の場合、月々返済額は115,715円
諸経費に回す資金を用意できる
住宅ローンは全ての費用に対応できるわけではなく、住宅ローンを契約する前に支払いが必要となる諸経費は他の手段で捻出する必要があります。
しかし、フリーローンや消費者金融機から借入し資金を捻出することは住宅ローンの審査を厳しくすることになるため、おすすめできません。
そのため、このような事態に対応するために頭金を用意する必要があります。
審査に通りやすくなる
頭金を多く用意することで住宅ローンに通りやすくなる特徴があるので、住宅ローンと頭金の額は密接に関係しているといえます。
なぜなら、銀行は債務者の信用性を審査しているので、頭金を多く用意できる人は計画的にお金を使える人だと判断されるからです。
このように、多角的に申込者を審査する銀行にとって、頭金の額は非常に重要な審査材料となります。
住宅ローンの頭金を用意するデメリット
頭金を用意するメリットは多いですが、デメリットもあります。
- 手持ち資金が減少する
- 住宅ローン控除の恩恵が小さくなる
- 頭金を用意するのに時間がかかる
手持ち資金が減少する
頭金を用意すると貯金が減るため、自由に使える資金が減ることになります。
また、家を建てることで家具や家電の新調や引っ越しなどの出費が多く発生し、これらの費用は住宅ローンで賄えません。
そのため、頭金を用意する場合は自己資金で支払う項目を把握しておきましょう。
住宅ローン控除の恩恵が小さくなる
住宅ローン控除は残高に対し、最大0.7%の控除額が13年間継続して受けられる減税制度です。
頭金を用意し、借入額を減らすことはメリットであると同時に、住宅ローン控除の控除額を下げるデメリットにもなってしまいます。
そのため、借入額の減少と住宅ローン控除のどちらが得になるのかは、慎重に検討する必要があるでしょう。
頭金を用意するのに時間がかかる
十分な貯金があれば頭金はすぐに用意できますが、そうでない場合は貯金する必要があります。
仮に、頭金の平均額300万円を3年間で貯めるには、1年で最低100万円の貯金が必要です。その間で家賃を支払うことになり、ハウスメーカーの建物価格は建材高騰により上昇するリスクもあります。
つまり、頭金は用意するのに時間がかかる上に、用意できたタイミングでは当初の資金計画が変わってしまうことがあるため注意が必要です。
住宅ローンの頭金を用意する上での注意点
この章では、頭金を用意する上での注意点を解説します。
前述した通り、頭金を用意することにはメリットもデメリットもあります。適切に判断するためにも、この章で解説する注意点を確認し納得した上で頭金を用意しましょう。
- 余裕のあるライフプランを計画する
- 追加費用が発生するケースを考慮する
- 不測の事態のために資金は手元に残す
順番に解説していきます。
余裕のあるライフプランを計画する
頭金を適切に用意するためには、余裕のあるライフプランを計画しましょう。
ライフプランは住宅資金だけでなく、教育資金や老後資金など人生にかかる全ての資金を含めることが重要です。
頭金をいくら用意するか迷った場合は、ライフプランをもとに検討することが重要です。
追加費用が発生するケースを考慮する
注文住宅は他の不動産購入と異なり、不測の事態によって追加費用が発生することがあります。
追加費用が発生する例として、土地を契約した後の地盤調査によって土地の改良が必要となるケースや、利用するはずだった補助金制度が打ち切りになるケースなどがあります。
このように、注文住宅を建てる際には追加費用が発生する前提で、資金を確保することが重要です。
不測の事態のための資金は手元に残す
前述した追加費用に限らず、すぐに使える資金はなるべく多く手元に残しておくべきです。
その上で、準備しても問題ない資金があれば頭金として使いましょう。
住宅ローンの頭金に関するよくある質問
最後に、住宅ローンの頭金に関するよくある質問を紹介します。
- 頭金が多いと有利になる?
- 頭金と繰り上げ返済ではどっちが得になる?
- 頭金ゼロでも審査に通る?
順番に回答していきます。
頭金が多いと有利になる?
頭金が多いと住宅ローンの返済額が減るため、返済計画としては有利といえます。ただし、自由に使える資金も減るため、どちらが有利かはライフプランをもとに判断しましょう。
頭金と繰り上げ返済ではどっちが得になる?
住宅ローンの頭金と繰り上げ返済のどちらが得かは、状況によって異なります。
近年では低金利政策が継続しているため、なるべく多く借入し住宅ローン控除が終了する14年目以降に繰り上げ返済することが望ましいといえます。
ただし、借入金額自体がそもそも多くない場合や年収が高くない場合は住宅ローンの控除額も安くなるため注意が必要です。
どちらが得になるのかを明確にしたい場合は、不動産会社やハウスメーカーに相談することをおすすめします。
頭金ゼロでも審査に通る?
頭金がゼロでも審査は通ります。ただし、借入れ条件や申込者の年収などによっては否決となるおそれがあります。
減額や否決となった場合は、頭金をある程度用意することをおすすめします。
住宅ローンを組む際は頭金を上手に活用しよう
住宅ローンを組む際には頭金の金額が非常に重要となり、いくら用意すれば良いのかはライフプランを立てながら検討しましょう。
TATTA!では、住宅プランだけではなく、資金計画の相談も承ります。お客様に寄り添いながら適切にアドバイスしますので、資金面で不安がある人でもぜひTATTA!へご相談ください。