ツーバイフォー工法(2×4)とは?メリット・デメリットや注意点も解説

ツーバイフォー工法(2×4)とは?
メリット・デメリットや注意点も解説

この記事では、ツーバイフォー工法について解説していきます。

マイホームを検討し始めて、住宅展示場やモデルルームを見て回るようになると、「ツーバイフォー工法」という言葉を耳にする人も少なくありません

一生のうちに何回も訪れることはないともいえる家づくりでは、わからないことをなくしておきたいところです。

そこで本記事では、ツーバイフォー工法がどのような工法か、そして在来工法との違いやメリット・デメリットなどを解説します。

この記事でわかること】

● ツーバイフォー工法とは?

● ツーバイフォー工法のメリット・デメリット

● ツーバイフォー工法の建築事例

● ツーバイフォー工法に関するよくある質問

ツーバイフォー工法(2×4)とは?

※出典:一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイフォー工法は、木造の建築工法の1つで「木造枠組壁工法」ともいわれています。

その名の通り「2インチ×4インチ」の木材を組んで作った枠組に、合板などの構造用面材を貼り付けて基本となる壁板(ダイアフラム)を作ります。

その壁板を上下と四方の六面を接合して、頑強な六面体構造にする工法です。

ここでは、ほかの木造の建築工法との違いも見ていきましょう。

  • 在来工法との違い
  • ツーバイシックス(2×6)との違い

順番に解説します。

在来工法との違い

在来工法は、日本古来の最も一般的な木造建築工法で「木造軸組工法」ともいわれています。

基礎コンクリートの土台の上に構造柱を立て、その柱と平行に梁(ハリ)を渡し、筋交(ブレス)を斜めに入れて構造体を形成します。

ツーバイフォー工法は壁で構造体を支えるのに対し、在来工法は柱と梁と筋交で支えると認識すれば理解しやすいでしょう。

ツーバイシックス(2×6)との違い

※出典:一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイシックス(2×6)は、ツーバイフォーと同じ木造枠組壁工法です。2つの違いは、構造用木材のサイズです。

ツーバイシックスでは、2インチ×6インチの木材を使用するので壁板(ダイアフラム)がツーバイフォーよりも厚くなります。

壁板が厚いため、建物荷重に対する強度が上昇して間取りの自由度が高まる上に、断熱性や省エネ性も向上します。

ツーバイフォー工法(2×4)のメリット

ここでは、ツーバイフォー工法(2×4)のメリットを見ていきましょう。

  • 耐震性や耐火性に優れている
  • 遮音性に優れている
  • 施工期間が短い傾向にある
  • 施工費用が安い傾向にある

上記4点を1つずつ解説していきます。

耐震性や耐火性に優れている

※出典:一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会

<耐震性>

ツーバイフォー住宅は床・壁・屋根の六面体が一体になった単一の構造であるので、地震の力を六面体全体で受け止めて分散します。

巨大な地震エネルギーが構造体の1ヶ所に集中しないため、倒壊や損傷が最小限に収まり、抜群の耐震性を発揮します。

<耐火性>

※出典:一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイフォー住宅の場合、床や壁の内側にある枠組材などがファイヤーストップ材として空気の流れを遮断し、延焼を抑えます。

また、枠組材や床根太が一定間隔で組まれているため、その間隔ごとに防火ブロックが形成され、隣の防火ブロックへの延焼を遅らせる効果があります。

遮音性に優れている

ツーバイフォー住宅は気密性の高い構造のため、遮音性に優れています。

床根太に天井材を直貼りせず、空気層を挟んだうえで、別に天井根太を設けて遮音性の高い石膏ボードを貼ります。

壁や天井には吸音性に優れた繊維系グラスウールが断熱材として使用されるので、さらに遮音性が高まるでしょう。

近年では、上下階の遮音性をさらに高めるために、上階の床材の下に高比重遮音マットを敷くケースも見られます。

施工期間が短い傾向にある

ツーバイフォー住宅の工期は、3〜4ヶ月程度と短い傾向にあります。なぜなら、工場で大半の部材を製作し、現場は組み立て工程に特化しているからです。

建築業者や職人の技量に左右されにくく安定した品質が確保されやすいのも、ツーバイフォー工法が持つ魅力の1つといえるでしょう。

施工費用が安い傾向にある

ツーバイフォー工法の場合、施工期間が短いことに伴って施工費用も安くなります。

また、前述の通り、熟練工や専門知識を持った職人による技術を必要としない工法のため、人件費の軽減が図れるでしょう。

ツーバイフォー工法(2×4)のデメリット

ツーバイフォー工法(2×4)には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

  • 間取りに制限がある
  • リノベーションが困難な傾向にある
  • 構造体の建築コストを削れない

上記4点を順番に解説していきます。

間取りに制限がある

ツーバイフォー工法の場合、間取りが制限されてしまいます。

6枚の壁板で囲まれた六面体の箱が基本ブロックであるため、壁に手を加えて部屋を広くしようとすると構造強度を保てません。

計画段階から、耐力壁をどの位置に持ってくるかを間取りのプランニングと並行して考える必要があります。

先に構造体として耐力壁で大きな空間を作り、その中を間取りに応じて仕切り壁で区割りする方法などを検討しましょう。

リノベーションが困難な傾向にある

ツーバイフォー工法は大きなリノベーションには向いていません。なぜなら、在来工法と違って構造を壁で支えており、耐力壁を外せないためです。

在来工法の場合、構造柱を外せない場合でも間取りには支障がないので、リノベーションはやりやすくなります。

ツーバイフォー工法の場合は、計画当初からリノベーションを想定して耐力壁の位置を工夫しておくなどの対策が必要になるでしょう。

構造体の建築コストを削れない

構造体の部材を変更して、コストダウンできない点もデメリットの1つです。

建築基準法により、ツーバイフォー工法で使用できる部材は、JASまたはJIS規格をクリアしたものに限定されています。

そのおかげでツーバイフォー住宅は、一定水準以上の構造強度が保たれているともいえます。

ツーバイフォー工法(2×4)の建築事例

ツーバイフォー工法(2×4)の施工実例を見ていきましょう。

  • 回遊できるLDK空間のあるお家
  • 太陽光で豊かに暮らす家

TATTA!が施工した物件の中から上記の事例を紹介します。

回遊できるLDK空間のあるお家

※出典:建築事例|浜松で注文住宅ならTATTA!|神奈川・岐阜・愛知でもワンプライス×注文住宅

ツーバイフォー住宅は、開口部が取りづらく間取りを制限されるケースがほとんどですが、この実例では、LDKから上階に上がる階段部に大きな吹き抜け空間を作っています。

上階から十分な日差しが入り、清潔感がさらに高まっているといえるでしょう。

ツーバイフォー工法特有の耐力壁を、キッチンとLDKをシェアするブラインド壁として利用し、開口部は対面キッチンをレイアウトしています。

さらに、LDKが回遊でき、階段を通じて上階とも行き来できる空間の演出は、ぜひとも参考にしたい実例です。

太陽光で豊かに暮らす家

※出典:建築事例|浜松で注文住宅ならTATTA!|神奈川・岐阜・愛知でもワンプライス×注文住宅

LDKを広い空間にするために、ツーバイフォー工法を選んだ実例です。

当初から広いリビングにしたいと考えている場合、構造のことも考えて耐力壁のレイアウトを事前に検討すれば、広々とした空間の演出も可能です。

大きなLDKでも構造柱などが残らないのは、ツーバイフォー工法ならではの特徴といえます。

ツーバイフォー工法(2×4)に関するよくある質問

最後に、ツーバイフォー住宅に関するよくある質問を紹介します。

  • ツーバイフォー住宅は腐るって本当?
  • ツーバイフォー工法の住宅は寒い?
  • ツーバイフォー工法の住宅の寿命は何年?

順番に回答していきます。

ツーバイフォー住宅は腐るって本当?

ツーバイフォー住宅は比較的柱が腐りやすいといわれていますが、全ての住宅が該当するわけではありません。

ツーバイフォー住宅が腐りやすいなどのイメージは、木材として輸入材を使用しているケースによるものだといえます。

北米や東南アジアなど海外からの輸入材は、湿度の高い日本の気候に長時間晒されると劣化が進みやすいといわれています。

対策として、耐水性の高いヒバやヒノキ材を使用すれば腐りにくくなるでしょう。また、素材に含有されているヒノキオールとフェノール化合物により、シロアリ対策にもなるでしょう。

ツーバイフォー工法の住宅は寒い?

ツーバイフォー住宅は、寒い冬こそ真価を発揮します。

ツーバイフォー住宅のシェア率において北海道が全国第1位であることも、寒さに強いことを裏付けているといえるでしょう。

※参考:一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会北海道支部

ツーバイフォー工法は、パネルを組み合わせるシンプルな構造であるため、隙間ができにくく高気密で断熱性の高い家づくりが実現できます。

ツーバイフォー工法の住宅の寿命は何年?

ツーバイフォー住宅に限らず、国内の木造住宅の取り壊し平均年数は約30年といわれています。

この数字は建物が使用できなくなる期限を示しているのではなく、あくまでライフスタイルの変化に応じて建て替える目安を示しているにすぎません。

定期的に適切なメンテナンスを施せば、50年以上快適に過ごすことも可能でしょう。

ツーバイフォー工法(2×4)で後悔しないためには

ツーバイフォー工法は高気密・高断熱であるため、冬でも夏でも快適に過ごせる工法です。

実現したい間取りのイメージができたら、ツーバイフォー工法を採用しているハウスメーカーや工務店を訪ねて相談してみましょう。

後悔しないツーバイフォー住宅を建築するためには、建築業者選びも重要な要素です。自分たちと相性が良く信頼性も高い建築業者を選びましょう。

TATTA!では、建物の面積に合わせてワンプライスで災害に強い、高気密・高断熱の暮らしを実現できる理想的な家づくりを提案いたします。

土地探しや資金計画、間取りの相談などに関心のある方は、ぜひお近くのTATTA!モデルルームにお越しください。

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