建売住宅と注文住宅はどっちがいい?メリット・デメリットや価格差を比較
メリット・デメリットや価格差を比較
この記事では、建売住宅と注文住宅の特徴やメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
一戸建てを購入する際の選択肢は、建売住宅と注文住宅の2つです。建売住宅と注文住宅では、設計の自由度や建築費用、立地、入居時期などさまざまな面で大きな違いがあります。
これから一戸建てでマイホームの購入を考える人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること】
● 建売住宅と注文住宅の特徴
● 建売住宅のメリット・デメリット
● 注文住宅のメリット・デメリット
● 建売住宅と注文住宅の価格の違い
まずは建売住宅と注文住宅の特徴を知ろう
建売住宅と注文住宅それぞれに関して、押さえておくべき特徴を理解しましょう。
- 建売住宅とは?
- 注文住宅とは?
順番に解説していきます。
建売住宅とは?
建売住宅とは、完成済みもしくは完成予定の建物と土地がセットになった状態で販売している住宅です。
不動産デベロッパーが自社で購入した土地を区画割りし、複数棟の一戸建て住宅を建築、販売している住宅を、分譲住宅と呼びます。これも、建売住宅の一形態です。
注文住宅とは?
注文住宅とは、所有もしくは購入した土地の条件に合わせて設計事務所やハウスメーカー、工務店などと相談し、施主の希望通りのプランや仕様で建てる住宅です。
注文住宅は、程度によってグレードを棲み分けている建築会社も多く見受けられます。
マイホーム購入において、予算は考慮すべき項目のため、建築会社側で予算をある程度決めてくれていると考えればいいでしょう。
建売住宅と注文住宅はどっちがいい?
建売住宅と注文住宅のどちらがいいかは、自分が理想とするライフスタイルによって異なるため、一概に「どちらがいい」とは言い切れません。
したがって、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分にはどちらが向いているかを判断しましょう。
建売住宅のメリット
まずは、建売住宅のメリットを見ていきましょう。
- 実際の建物を確認してから購入できる
- 価格設定が手頃なケースが多い
- 購入から入居までの期間が短い
順番に解説していきます。
実際の建物を確認してから購入できる
建売住宅のメリットの1つは、完成した実物を見て購入するかを判断できる点です。
自分が住むかもしれない建物を実際に確認できる点は、精巧な3DパースやVRなどよりも説得力があるでしょう。
価格設定が手頃なケースが多い
建売住宅は、一般的に注文住宅に比べて価格が低くなるのもメリットの1つに挙げられます。
価格を低く抑えられる理由は、主に以下の通りです。
- 部材の仕様が統一されているため、一括発注により仕入れ価格を低く抑えられる
- 打ち合わせ不要なため、人件費やショールーム、展示場費など固定費がかからない
- 土地を個別で購入する必要がないため、仲介手数料がかからない
上記の理由から、建売住宅は価格を低めに抑えられます。
購入から入居までの期間が短い
購入を決めてから、入居までの期間が短く済む点も建売住宅のメリットです。
建物が完成している場合、住宅ローンの審査や手続きが終了次第、建物代金を支払って引渡しを受けられるため、契約から1ヶ月程度で入居可能でしょう。
これから着工する場合でも、計画は事前に決められており打ち合わせの必要がなく、着工後4ヶ月程度で引渡しになります。
物件によっては、注文住宅よりも1年近く早く入居できる場合もあるでしょう。
建売住宅のデメリット
建売住宅は、メリットがある一方でデメリットも存在します。
- 隣家との距離が近い
- 建築の過程を確認できない
- 間取りや設備などの仕様が決まっている
上記、3点のデメリットを押さえておきましょう。
隣家との距離が近い
分譲住宅の場合、限られた土地に効率的に住宅を建てるため、隣家の壁との距離が1m程度になっている場合も少なくありません。土地活用の理由から、隣家との距離が近くなりがちです。
とはいえ、リビング前や玄関アプローチなどは普通に生活する上で十分な距離や、空間を想定した設計になっているため安心できます。
建築の過程を確認できない
建売住宅は完成している場合がほとんどで、建築途中や建築前の土地状況がわかりません。
土地の地耐力や施工状況を確認できないため、不安を感じる場合もあるでしょう。
こうした場合、まずは建築会社に問い合わせてみましょう。
地耐力の調査結果があれば示してくれるだけではなく、施工状況も工程ごとに写真を残しているケースや、第三者検査機関で検査済みのケースもあります。
間取りや設備などの仕様が決まっている
完成品の場合は、間取りや設備などの仕様変更は困難です。
着工前でも、建築プランが確定しています。どうしても変更したい場合、その分の追加費用と工事日数が必要になるでしょう。
注文住宅のメリット
ここでは、注文住宅ならではのメリットを見ていきましょう。
- 設計の自由度が高い
- 建築の過程を確認できる
- 資産としての価値がある
順番に解説していきます。
設計の自由度が高い
注文住宅は、間取りや仕様、設備を自由に計画できる点が大きなメリットです。
昨今のテレワークに対応してワーキングスペースを作れるほか、楽器を練習する防音室なども設置可能です。
このように、家族構成やライフスタイルに合わせて理想の暮らしを実現できるのが、注文住宅の醍醐味だといえます。
建築の過程を確認できる
注文住宅は、土地探しから始まるので、建築過程の最初から最後まで立ち会えます。
土地の地耐力調査や敷地調査に始まり、建築工程においても基礎工事完了時、上棟時、完成時などの検査も確認できます。
建築会社ごとに検査メニューは異なるものの、自分が確認したいときに担当者に連絡して確認できるのも注文住宅のメリットといえるでしょう。
資産としての価値がある
一般的に注文住宅は、建売住宅に比べて高い資産価値があります。
使用する建材や設備にこだわりを持って作るためです。
土地選びも自ら行うので、土地の形や間口、駅からの距離などにこだわりを持って購入しているケースが多いでしょう。
ある程度の年月が経過すると、注文住宅といえども資産価値が目減りします。しかし、土地の資産価値はそれほど下がりません。
こうした点は、注文住宅を購入するメリットの1つです。
注文住宅のデメリット
注文住宅にもメリットだけではなく、デメリットがあります。
- 入居までに期間を要する
- コストが割高になる
- 完成をイメージしにくい
上記3点のデメリットを、順番に解説していきます。
入居までに期間を要する
住宅を建てるための土地探しから入居まで9ヶ月〜1年3ヶ月くらいの期間を要します。
注文住宅は、土地購入の検討から、建物のプランニング、予算の検討など全てをゼロから始めていかなければなりません。
注文住宅を建てる流れは、主に以下の通りです。
- 土地探しや建築会社の決定:2〜3ヶ月
- 工事請負契約後、間取りやプランの決定:3〜4ヶ月
- 着工から引渡し、入居までのスケジュール:4〜6ヶ月
いつまでも土地が見つからない場合、上記で記載した期間以上にかかるケースがあります。
コストが割高になる
注文住宅の場合、家づくりへのこだわりを反映できる分、建売住宅に比べて割高になります。
住宅金融支援機構が実施した、「2021年度フラット35利用者調査」によれば、所要資金の全国の平均額は以下の結果となりました。
- 注文住宅:4,455万円
- 建売住宅:3,605万円
※参考:2021年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
全国平均の結果を見ると注文住宅は建売住宅の20%高となっています。
完成をイメージしにくい
注文住宅は、建売住宅のように完成品を見て購入できません。
図面や仕様表で完成イメージを掴むのは、専門的な知識を持っていない限り難しいでしょう。
したがって、同じようなグレードの施工現場を見学するなどして、具体的なイメージを浮かべておきましょう。
建売住宅と注文住宅を価格差で比較
ここでは、建売住宅と注文住宅を価格差で比較していきます。
参考として、住宅金融支援機構が発表している「2021年度フラット35利用者調査」をエリアごとに見ていきましょう。
全国平均 |
静岡県 |
愛知県 |
神奈川県 |
岐阜県 |
|
注文住宅 |
4,455 |
4,182 |
4,882 |
5,211 |
3,830 |
建売住宅 |
3,605 |
2,797 |
3,371 |
4,162 |
2,644 |
差額 |
▲850 |
▲1,385 |
▲1,511 |
▲1,049 |
▲1,186 |
差額比 |
▲19.1% |
▲33.1% |
▲30.9% |
▲20.1% |
▲30.9% |
※単位:万円
※参考:2021年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
上記の表を見てわかる通り、全国平均と神奈川県では、注文住宅と建売住宅の価格差が20%程度であり、中部・東海3県は30%を超えています。
ここからは、以下2点の項目から、注文住宅・建売住宅の価格差を詳しく見ていきましょう。
- 家づくりにかかる費用の違い
- メンテナンス費用などのランニングコストにおける違い
- 税金や固定資産税の違い
順番に解説していきます。
家づくりにかかる費用の違い
注文住宅が建売住宅に比べて割高になる理由は、家づくりにかかる費用が違うからです。
注文住宅が割高になる原因を、以下の表で見ていきましょう。
注文住宅 |
建売住宅 |
|
土地購入 |
● 建物とは別に購入 |
● 購入費用に含まれる |
建物部材 |
● 個別発注 |
● 一括発注 |
付帯工事 |
● 別途付帯工事費が必要 |
● 購入費用に含まれる |
諸費用 |
● 各種負担金等別途必要 |
● 購入費用に含まれる |
建売住宅がほぼワンプライス感覚に近いのに対し、注文住宅は個別に値段を決めていくイメージで、結果割高になるケースが多くなります。
メンテナンス費用などのランニングコストにおける違い
注文住宅と建売住宅における、メンテナンスやランニングコストの負担は、「どちらが高い」などの決まった答えはなく、一概にはいえません。
なぜなら規模や立地、使用する建材の差などで大きく異なるからです。
ここでは、一般的な事例をもとに注文住宅・建売住宅の諸費用や、購入後のメンテナンスなどで発生するランニングコストの違いを見ていきましょう。
住宅を購入すると、物件の購入価格のほかに諸費用がかかります。
登記費用や不動産取得税など、土地と建物代に加えて発生する費用全般が諸費用です。
一般的に、物件価格の10%程度といわれています。
ランニングコストには、建物を維持するための修繕費用積み立てや保険料、固定資産税などの税金が含まれています。
30年間で注文住宅の場合は350万円程度、建売住宅では500万円程度です。
これらの費用は、選ぶ保険や支払う税金、メンテナンス修繕費の積み立てなどによって変動します。
物件価格(※) |
諸費用 (10%で計算) |
ランニングコスト |
|
注文住宅 |
約4,455万円 |
445.5万円 |
350万円 |
建売住宅 |
約3,605万円 |
360.5万円 |
500万円 |
※物件価格は、先述した全国平均を記載
注文住宅では、先述したような理由で高額となる分、耐久性の高い部材を導入できます。そのため、メンテナンス、交換にかかるランニングコストを抑えられます。
一方、建売住宅では物件価格を抑えられますが、ランニングコストは比較的高額になりがちです。一括で安く仕入れる分、導入する部材がそれなりの質になるケースもゼロではありません。
その結果、メンテナンスなどに費用がかかってしまいます。このように、状況によって必要なコストは異なるので、使用している設備や部材などで判断しましょう。
税金や固定資産税の違い
注文住宅と建売住宅で、支払う税金は変わりません。
どちらも同じ住宅とみなされるため、完成までの過程は関係ありません。
ただし、一般的に注文住宅の価格の方が高額なため、固定資産税が高くなる傾向にあります。
減税できる可能性を挙げると、ZEHや長期優良住宅仕様の注文住宅を建築した場合に軽減措置対象となります。
上記のように、自身の買う家が減税対象となるかは、メーカーに問い合わせて把握しておきましょう。
自分のこだわりに合わせて建売住宅か注文住宅か決めよう
一戸建てを購入するときは、まず自分が何を優先させたいかを見定めましょう。
コストを抑えたいのか、こだわりを優先したいのかなど、優先順位を明確にしておくと、建売住宅か注文住宅か判断しやすくなります。
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